存在のすべてを
💡 三十年の沈黙を破り、誘拐事件の真実が動き出す。
平成初期に発生した未解決の誘拐事件から三十年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「現在」を知る。異様な展開を辿った事件の真実を求めて執念の再取材を重ねた果てに、かつて事件の周辺に存在していた一人の写実画家の影が浮かび上がり、物語は思いも寄らない局面へと突入する。
💡 おすすめポイント・見どころ
重厚な取材に基づくリアリティと、人間の業を深くえぐり出す筆致で日本中を震撼させた塩田武士の真骨頂。三十年という途方もない歳月が暴き出す真実の重みと、時代に翻弄された人々の生きざまが胸を強く打ちます。「実」とは何かを問いかけるテーマ性は、情報過多な現代を生きるすべての人の心に深く響くはず。日本のミステリ史に新たな足跡をしるす圧巻の大作です。