最後の祈り
💡 「ゆるし」と「復讐」のあいだで、牧師は殺人鬼と向き合う。
妊娠中の娘を含む四人を惨殺し、死刑判決に満面の笑みを浮かべた凶悪犯。被害者の父であり受刑者を救済する牧師の保阪は、罪の意識など微塵もない犯人と教誨室で対面を果たす。今まで人を救うために祈り続けてきたはずの男の心に湧き上がったのは、拭い難い復讐心と地獄への呪詛。死刑執行が迫る中で繰り広げられる、善と悪の境界を問う壮絶な対話劇。
💡 おすすめポイント・見どころ
愛する家族を理不尽に奪われたとき、人は「加害者の救済」と「復讐心」のどちらを選ぶのかという、極限の問いを読者に突きつける重厚な人間ドラマ。登場人物たちの心理描写が生々しく、綺麗事では済まされない人間の業の深さに圧倒されます。決して軽く読める話ではありませんが、深く考えさせられる読書体験を求めるすべての人に推したい傑作です。