熟柿
💡 罪は消えない、それでも人生にさす一条の光を求めて。
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは、轢き逃げの罪で服役中に息子・拓を出産。出所後、息子に会いたいがあまりに園児連れ去り事件を起こしてしまい、接見を禁じられる。自らの罪から逃れるように西へ西へと各地を流れてゆく彼女だが、隠し通してきた過去にまつわるある衝撃的な秘密が、やがて白日の下に晒される。罪と償い、そして人生にさす一条の光を描く、心を抉る最新長編小説。
💡 おすすめポイント・見どころ
文章の一字一句に無駄が削ぎ落とされており、物語が宝石のように磨き上げられています。かおりという女性の、不器用で必死な足跡を辿るうちに、読者の感情も激しく揺さぶられるでしょう。罪を犯した者が背負う重みと、それにも関わらず今日を生きようとする力強さが、読む者の心に深く突き刺さります。読了後、しばらく現実世界に戻ってこれなくなるほどの没入感と、人生そのものを肯定するような温かい余韻が心を包み込みます。