生還者
ヒマラヤ山脈カンチェンジュンガ山での大規模な雪崩により日本人登山者七名が巻き込まれる惨事が発生。四年前登山の世界を離れたはずの兄の遺品のザイルが何者かに切断されていたことに気付いた増田直志は、事故ではなく殺人ではないかと疑念を抱く。絶望視される中、奇跡の生還を果たした二人の男が語る証言は真っ向から対立し、互いに相手を卑劣な嘘つきだと告発する。兄の死の真相を突き止めるため、増田は高峰の謎に挑む。
💡 おすすめポイント・見どころ
過酷な雪山の描写が生み出す圧倒的な臨場感と、生存者たちの語る矛盾が織りなす極限の心理サスペンスです。どちらの言葉が真実で、どちらが偽りなのかを見極めるサバイバルの緊張感が全篇を貫いています。極限状態の人間模様を描かせたら右に出る者のいない著者が放つ、魂を揺さぶる山岳ミステリの傑作です。