血の弔旗
一九六六年、目黒区の邸宅から十一億円の巨額現金を強奪した根津謙治たち四人の男。戦時中の疎開先で結ばれた絆をもとに完全犯罪を成し遂げたかに見えたが、十年の歳月が流れたとき、彼らの周囲で奇怪な事件が立て続けに発生する。誰が何のために牙を向いているのか。混乱と疑心暗鬼が渦巻く中、袂を分かった男たちの軌跡が再び交差し、昭和という時代の克明な風俗と人間の深い業が明るみに出ていく熱き犯罪小説。
💡 おすすめポイント・見どころ
昭和の濁流を生き抜いた男たちの魂の衝突が、圧倒的な筆力で緻密に描き出されています。単なる犯罪計画の顛末に終わらず、戦争の傷痕や時代が生み出した歪みが巧妙に絡み合う重層的なプロットは圧巻のひと言。狂気とノワール特有の乾いた空気感が完璧に融合した空間に、一気に引きずり込まれること間違いなしの骨太なドラマです。