警察官の心臓
灼熱の岡崎市で、ある高齢女性の遺体が沼から引き上げられる。全身47ヵ所もの刺創が示す残忍な犯行に市民は戦慄。刑事たちの地を這う捜査の中で浮かび上がったのは、被害者の光と闇に満ちた人生だった。東大卒、元大手局アナという華やかな経歴の一方で、亡くなる前は極貧の現役風俗嬢。なぜ彼女は殺されなければならなかったのか。愛知県警のエース刑事・湯口と岡崎署の変人刑事・蜘蛛手が、時に衝突し、時に協力し、底なしの謎の深奥へ挑む、圧巻の取材による超爆発の警察小説。
💡 おすすめポイント・見どころ
警察組織の論理と個人の業が激しくぶつかり合う、叩き上げの熱気が紙面から溢れ出します。ただの謎解きでは終わらせない、徹底した取材に裏打ちされた警察官の苦悩と矜持。二人の刑事の対比が鮮烈で、互いに認め合いながら事件の深淵を暴いていく過程には、ページをめくる手が止まらなくなる中毒性があります。容疑者の背景に隠された真実が判明したとき、刑事たちの静かな憤りと温かな眼差しに胸が締め付けられるのです。