エンドロール
新型コロナウイルスの影響で不利益を被った若者たちの間で自殺が急増する202X年。自殺者の中には、死の直前に自伝を国会図書館へ納本する不穏な共通点があった。彼らが模倣するのは、早世した哲学者・陰橋冬の最後の著書。ベストセラー作家を姉に持ち、社会状況の変化によって遺作が若者の自殺を肯定していると誤解された悲劇を止めるため、雨宮葉は奔走する。
💡 おすすめポイント・見どころ
現代社会が抱える痛切な闇と、死を希求する若者たちの心理に深く切り込んだ、問題作にして圧倒的な読み応えを誇る社会派ミステリです。コロナ禍という現実の影を色濃く反映した閉塞感の中で、遺された者たちが「なぜ人は死を選ぶのか」という問いに向き合い続ける姿が胸を打ちます。予想を超える構造の妙と、緻密に組み立てられた論理が読者の価値観を根底から揺さぶる一冊です。