サロメの断頭台
油絵画家・井口は、元泥棒の蓮野を通訳に異国の富豪ロデウィックの元を訪ねる。翌日、アトリエで自身の未発表作を酷似した絵として指摘される衝撃。何者かが絵画を剽窃し、あろうことか暗闇に紛れて犯罪の影を忍ばせる。盗作犯を追う井口を待っていたのは、戯曲『サロメ』に見立てた凄惨な連続殺人。芸術と贋作、嫉妬と殺意が交錯する大正ロマンの闇。天才芸術家の死を起点に、狂気が次々と連鎖していく。全ての伏線が回収されるとき、断頭台の刃が読者の喉元に迫る。
💡 おすすめポイント・見どころ
方舟の緻密なパズルを操った著者が、今度は大正時代の美術界を舞台に鮮やかなトリックを仕掛けてきます。元泥棒と画家の奇妙なバディが、名画に隠された秘密と連続殺人の謎に切り込んでいく過程はスリル満点。芸術への情熱が歪んだ殺意へと反転する瞬間、読者はミステリ本来の戦慄を味わうはずです。