偽装同盟
💡 ロシアの属国となった大正日本。警官の誇りは奪えるか。
日露戦争に敗北し、外交権も軍事権も剥奪されてロシアの属国と化した大正六年。首都・東京で発生した連続強盗事件の容疑者を逮捕した警視庁の新堂だったが、その身柄はロシアの日本統監府保安課によって理不尽に強奪される。悔しさを噛み締めながら新たな女性殺害事件の捜査に挑む新堂の背後に、ロシア本国で巻き起こる大規模な民衆の騒擾と不穏な政治的陰謀の影が迫り来る。
💡 おすすめポイント・見どころ
歴史の歯車がわずかに狂っただけでこれほどまでに冷酷な支配構造が生まれるという、歴史改変SFとしての圧倒的な世界観の作り込みが光ります。敗戦国という屈辱的な環境のなか、ロシアの重圧に耐えながらも警察官としての矜持と正義を失うまいと足掻く主人公の生き様が、読者の胸を深く打ちます。硬質な文体で描かれる、もうひとつの大正ロマン警察小説の最高峰です。