満願
人を殺め、静かに刑期を終えた妻が抱えていた本当の動機とは何だったのか。驚愕の結末で読み手の足元を揺さぶる表題作をはじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターらが日常のふとした瞬間に遭遇する六つの奇妙な事件。人間の心の奥底に潜む暗部と予測不能な真実が、静かに、しかし確実に牙を剥く。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、極上のミステリ短篇集。
💡 おすすめポイント・見どころ
わずか数ページの短編でありながら、読了後にまるで長編小説を一本読み終えたかのような重厚な余韻が残ります。人間の善意と悪意の境界線を鮮やかに描き出す手腕には、ただただ唸らされるばかり。日常のすぐ隣にある狂気と救いを巧みに切り取った、米澤穂信の圧倒的な筆力を堪能できる最高傑作の一つです。