異常探偵 宇宙船
小児性愛者の連続殺人事件を追う、異常事件専門の探偵・宇宙船。美青年だが使い物にならない助手や浮浪者の姿をした仙人など、一般社会からはみ出した人々を従えて捜査を進める。その正体は、一人娘を亡くして重いうつ病を患う主婦であった。下着泥棒の影や怪人の脅威が迫るなか、宇宙船がたどり着く真犯人の正体とは。奇才・前田司郎が描く、弱者へのまなざしと不意打ちの笑いに満ちた異色の推理小説。
💡 おすすめポイント・見どころ
常識の境界線を軽々と踏み越えていくような、前田司郎ワールドの真骨頂がここにあります。狂気とユーモアが混ざり合う奇妙な空気感のなか、重いうつ病を抱えた主婦探偵が独自の論理で事件を解きほぐしていく過程は中毒性抜群。読者の予測を悉く裏切りながら、最終的にたどり着く人間描写の切なさに大きく揺さぶられます。