夜の道標
一九九六年の横浜で起きた塾経営者殺害事件。二年の歳月が流れても被疑者の足取りはつかめない。殺人犯を匿う女、追いつめられた刑事、虐待を受け半地下で暮らす少年。それぞれの守りたいものが交錯し、事態は思わぬ展開へと転がっていく。
💡 おすすめポイント・見どころ
未解決の殺人事件を軸に、罪を犯した者を匿う女や孤独な少年の歪んだ日常が重なり合う、慟哭の人間ドラマです。光の届かない半地下という閉ざされた空間で交わされる小さなやり取りが、読み手に重い問いと切なさを投げかけます。それぞれの正義や愛が交錯した末にたどり着く結末の鮮烈さと、胸を締め付ける余韻がいつまでも心に残る見事な傑作です。