タフガイ
💡 男たちの絆は、血塗られた富豪の家系でどう変質するのか。
一九七四年、東京。私立探偵の浜崎順一郎は、チンピラに絡まれていた少年を救ったことをきっかけに、少年院時代の旧友・石雄と再会する。富豪の跡取りとして莫大な財産を手に入れていた石雄だったが、旧交を温める間もなく、彼の義姉が何者かに惨殺されるという悲劇が起こる。名家の閉ざされた空間で巻き起こる連続した不穏な出来事は、かつての友情と過去の記憶を狂わせ始めていく。男たちの哀愁と業を鋭く切り取ったハードロマン。
💡 おすすめポイント・見どころ
七十年代という特有の翳りを帯びた東京の空気感が、かつての少年院仲間という熱い絆と冷酷な殺人事件を通じて、鮮烈に浮かび上がってきます。富豪の一族という閉じた世界に潜むドロドロとした欲望と、不器用にしか生きられない男たちの哀切が絶妙なバランスで共存しています。綺麗事では済まされない人間の業を見事に描き切った、昭和ハードボイルドの隠れた名作の味わいを存分に堪能できる一冊です。