嘘と隣人
💡 隣人の優しい笑顔の裏に隠された、底知れぬ悪意の正体。
リタイアし平穏な日常を送る元刑事・平良正太郎の周囲で、立て続けに事件が発生する。ストーカーと化した元パートナー、マタハラや痴漢冤罪、技能実習制度に潜む人種差別、そしてSNSでの誹謗中傷や脅し。身近な人間の悪意が、次々と白日の下に晒されるのだ。捜査権限を失った平良は、それらの事件に対し、一市民としてどう向き合うのか。人間の心の闇、社会の矛盾、そして隣人という存在の多面性が複雑に絡み合う中で、彼は事件の向こうに何を見るのか。現代社会をえぐり出す連作短編ミステリだ。
💡 おすすめポイント・見どころ
誰もが当事者になり得る現代的なトラブルを、ミステリの構造で見事に料理した手腕には脱帽です。特別ではないはずの日常が、ふとしたきっかけで崩壊していく様は恐怖そのもの。元刑事という、正義の重みを知る男だからこそ見える「善意の皮をかぶった悪意」の正体に、胸の奥が冷たく凍りつきます。