偽りの殺意
吹雪のなか、東京から来た教科書会社の営業マンが崖から転落死するという事件が発生する。前夜に猿ケ京温泉で被害者と同宿した若い女と、強い恨みを抱く男の二人に容疑がかけられるが、それぞれ鉄壁のアリバイが存在した。所轄署の津村刑事は、巧妙に構築されたアリバイの綻びを見つけ出すべく執念のアリバイ崩しに挑む。死後もなお新しい読者を魅了し続けるミステリーの巨匠が遺した、情感豊かな絶品中短編集。
💡 おすすめポイント・見どころ
論理の積み重ねで鉄壁のアリバイを切り崩していく、これぞ王道にして至高の本格推理の醍醐味が凝縮された中短編集です。緻密なトリックの背後にじんわりと滲み出る人間臭い情感や、旅情をそそる雪国の風景描写が物語に深い味わいを添えています。派手な演出に頼らずとも、極上の論理パズルと読後感の良さを両立させた日本のミステリー史に輝く名品の数々をぜひ味わってください。