落英
💡 一丁の拳銃が、刑事を狂気と破滅の囮捜査へと駆り立てる。
大阪府警の桐尾と上坂は覚醒剤密売の捜査中、容疑者宅から一丁の中国製トカレフを発見する。それは16年前の未解決事件である和歌山・南紀銀行副頭取射殺事件で使用された銃そのものだった。専従捜査を命じられた二人は、当時の担当刑事であった満井と手を組むが、その満井は腐り切った悪徳刑事だった。押収した拳銃を暴力団に売り飛ばすという危険な囮捜査に、刑事たちの黒い欲望が絡み合っていく。
💡 おすすめポイント・見どころ
正義と悪の境界線が音を立てて崩れていく、黒川博行の真骨頂とも言える圧倒的な警察小説です。事件の真相を暴こうとする刑事たちが、自らの欲望と背徳の罠に足元をすくわれていく過程が容赦ないリアリティで描かれます。一瞬の油断も許されない緊迫した心理戦と、人間のどうしようもない業を炙り出すストーリーテリングに、ページをめくる手が止まりません。