鍵の掛かった男
大阪の小さなホテルで謎の死を遂げた巨額の資産を持つ孤独な男・梨田稔。警察は自殺と断定するも、生前の彼を知る常連客の女流作家は納得がいかず、ミステリ作家の有栖川有栖と犯罪社会学者の火村英生に真相究明を依頼する。身寄りなく来歴も不明な男の人生には深い闇が広がっており、調査が進むほどに関係者全員を飲み込む悲劇的な結末がその姿を現し始める。人気シリーズが放つ人間の真実を鋭く射抜いた傑作長編ミステリ。
💡 おすすめポイント・見どころ
十三年ぶりの書き下ろしとなる待望のシリーズ新作は、人の心の深淵を覗き込むような圧倒的な読み応えを誇ります。遺された謎の背景に潜む孤独と哀しみが、バディの鮮やかな推理によって少しずつ剥き出しにされていくプロセスは極上のスリル。事件の真相そのものよりも、生きてきた人間のあり方そのものを問うミステリを愛するすべての読者に捧げたい一冊です。