三人書房
大正八年の東京・駒込団子坂に、若き日の平井太郎が弟たちと開いた古書店「三人書房」。二年に満たぬ短命に終わった店には、松井須磨子の遺書をはじめとする奇妙な謎や不可解な依頼が次々と舞い込む。同時代を生きる宮沢賢治や高村光太郎ら文化人たちとの交流の裏で、のちの江戸川乱歩がいかにして人間の業と謎に向き合ったのかを描き出す連作ミステリ。
💡 おすすめポイント・見どころ
日本の推理小説史の巨星が歩み出す前の、若き日の原点を繊細な筆致で掬い上げた珠玉の連作集。事件そのものの鮮やかさはもちろん、大正という時代の空気感や、実在の文人たちとの交友が醸し出すノスタルジーが深い余韻を残します。ミステリファンのみならず、すべての本好きにそっと差し出したい、滋味あふれる味わいが魅力です。