明智恭介の奔走
『屍人荘の殺人』以前の物語。名探偵に憧れを抱きながらも、どこか空回りする神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。名刺を配り歩き、日夜事件を求めて奔走する彼は、いかにして相棒となる葉村譲と出会い、数々の謎に挑むことになったのか。大学のサークル棟で起きた盗難騒動、商店街に囁かれる怪異、試験問題漏洩疑惑。日常に潜む些細な違和感を、明智の独特な視点と葉村の献身によって鮮やかに解き明かす、知られざる探偵の原点となる全五編の短編集。
💡 おすすめポイント・見どころ
のちに数々の惨劇に巻き込まれることになるあの愛すべき名探偵が、まだ青い情熱を胸に事件を追い求めていた日々を描いたファン待望の一冊です。日常のちょっとした謎に向き合う姿には微笑ましさがありつつも、細部に宿るミステリとしての巧みな構成力はしっかりと健在です。シリーズの原点を知る喜びと、愛嬌あふれるキャラクターたちの魅力を存分に味わえます。