(仮)ヴィラ・アーク 設計主旨
💡 建築の謎が解けたとき、館は地獄の装置へと変貌する。
断崖に建つ二本の筒が載った奇妙な館「ヴィラ・アーク」に招かれた川津たちを待ち受けていたのは、楽しいはずの旅を暗転させる連続失踪事件だった。消えた黒猫を捜索するうちに一人、また一人と人が姿を消し、嵐が去った後に轟く謎の爆発音がさらなる恐怖を煽る。建物の構造に隠された秘密はいかなるものなのか。建築家たちの手によって建築的トリックの謎が紐解かれていくとき、館ものとして始まった本格ミステリは鮮やかにその姿を変貌させ、誰も予想しなかった社会派の真相へと到達する。第62回江戸川乱歩賞最終候補作。
💡 おすすめポイント・見どころ
物理的な空間の構造そのものが事件の真相を握っているという、建築ミステリの醍醐味が極限まで突き詰められた驚異の構成力に唸らされます。美しくも不気味な館を舞台にした密室劇の様相から、物語が終盤にかけて全く異なる顔を見せる社会派的展開へのシフトチェンジは鳥肌モノの鮮やかさです。論理と人間の業が絡み合う緻密なプロットの妙技に、最後のページを閉じるまで翻弄され続けてください。