『このミステリーがすごい!』非公式サイト 【このミスまとめ】

このミステリーがすごい!2016年版『KONOMYS』 2016 Edition

このミステリーがすごい!2016年版

このミステリーがすごい!2016年版 国内編ランキング(1位⇒47位)を、あらすじや得点などの情報と併せて掲載しています。奥付表記で2014年11月~2015年10月に発行されたミステリー作品が対象です。

アンケート回答者(国内72名)が選出した作品について、以下の配点により集計しています。点数が20点に満たない作品はランキング対象外となります。

【1位】10点 / 【2位】9点 / 【3位】8点 / 【4位】7点 /【5位】6点 / 【6位】5点

< 前年(2015年版) 翌年(2017年版) >

  • 第1位 ⇒ 第10位

    第1位第1位王とサーカス
    (172点)


    著者:米澤穂信

    二〇〇一年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。
    現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。
    太刀洗はジャーナリストとして早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑うかのように、彼女の前にはひとつの死体が転がり…。
    「この男は、わたしのために殺されたのか?あるいはー」
    疑問と苦悩の果てに、太刀洗が辿り着いた痛切な真実とは?
    『さよなら妖精』の出来事から十年の時を経て、太刀洗万智は異邦でふたたび、自らの人生をも左右するような大事件に遭遇する。
    二〇〇一年に実際に起きた王宮事件を取り込んで描いた壮大なフィクションにして、米澤ミステリの記念碑的傑作!
    (「BOOK」データベースより)

    第2位第2位戦場のコックたち
    (153点)


    著者:深緑野分

    一晩で忽然と消えた600箱の粉末卵の謎、不要となったパラシュートをかき集める兵士の目的、聖夜の雪原をさまよう幽霊兵士の正体…誇り高き料理人だった祖母の影響で、コック兵となった19歳のティム。
    彼がかけがえのない仲間とともに過ごす、戦いと調理と謎解きの日々を連作形式で描く。
    第7回ミステリーズ!新人賞佳作入選作を収録した『オーブランの少女』で読書人を驚嘆させた実力派が放つ、渾身の初長編。
    (「BOOK」データベースより)

    第3位第3位孤狼の血
    (128点)


    著者:柚月裕子

    昭和六十三年、広島。
    所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。
    飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。
    やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。
    衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。
    正義とは何か、信じられるのは誰か。
    日岡は本当の試練に立ち向かっていくー。
    (「BOOK」データベースより)

    第4位第4位さよならの手口
    (123点)


    著者:若竹七海

    探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。
    入院した病院で同室の元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を依頼される。
    かつて娘の行方を捜した探偵は失踪していたー。
    有能だが不運な女探偵・葉村晶が文庫書下ろしで帰ってきた!
    (「BOOK」データベースより)

    第5位第5位
    (117点)


    著者:東山彰良

    1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
    17歳。無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。
    大陸から台湾、そして日本へ。
    歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。
    台湾生まれ、日本育ち。
    超弩級の才能が、はじめて己の血を解き放つ!
    友情と初恋。流浪と決断。圧倒的物語。
    (「BOOK」データベースより)

    第6位第6位ミステリー・アリーナ
    (106点)


    著者:深水黎一郎

    全編伏線ともいえる「閉ざされた館の不可解な連続殺人」の真相を見抜く。
    早い者勝ち、「真相」が分かればいつでも解答可能の争奪戦。
    もちろん「あなた」も参加OK。
    強豪たちがつぎつぎ退場していくなか、その裏で、何かが始まっていた…
    ベストセラー『最後のトリック』の著者があなたに挑む多重解決の極北!
    (「BOOK」データベースより)

    第7位第7位片桐大三郎とXYZの悲劇
    (89点)


    著者:倉知淳

    聴覚を失ったことをきっかけに引退した時代劇の大スター、片桐大三郎。
    古希を過ぎても聴力以外は元気極まりない大三郎は、その知名度を利用して、探偵趣味に邁進する。
    あとに続くのは彼の「耳」を務める野々瀬乃枝。
    今日も文句を言いつつ、スターじいさんのあとを追う!
    (「BOOK」データベースより)

    第8位第8位鍵の掛かった男
    (84点)


    著者:有栖川有栖

    2015年1月、大阪・中之島の小さなホテル“銀星ホテル”で一人の男・梨田稔(69)が死んだ。
    警察は自殺による縊死と断定。
    しかし梨田の自殺を納得しない人間がいた。
    同ホテルを定宿にする女流作家・影浦浪子だ。
    梨田は5年ほど、銀星ホテルのスイートに住み続け、ホテルの支配人や従業員、常連客から愛され、しかも2億円以上預金残高があった。
    影浦は、その死の謎の解明をミステリ作家の有栖川有栖とその友人の犯罪社会学者・火村英生に依頼。
    が、調査は難航。梨田は身寄りがない上、来歴にかんする手がかりがほとんどなく人物像は闇の中で、その人生は「鍵の掛かった」としか言いようがなかった。
    生前の彼を知る者たちが認識していた梨田とは誰だったのか?
    結局、自殺か他殺か。
    他殺なら誰が犯人なのか?
    思いもしない悲劇的結末が関係者全員を待ち受けていた。
    “火村英生シリーズ”13年ぶりの書き下ろし!
    人間の謎を、人生の真実で射抜いた、傑作長編ミステリ。
    (「BOOK」データベースより)

    第9位第9位血の弔旗
    (82点)


    著者:藤田宜永

    1966年8月15日、根津謙治は目黒区碑文谷二丁目にトラックを止めた。
    現金11億を奪うためだ。
    戦後の混乱期に金貸しを始めて財を成した原島勇平の屋敷で根津は居合わせたクラブのママを射殺する。
    カーラジオからはローリング・ストーンズの『黒くぬれ!』が流れていた。
    14年の歳月が過ぎ、新たな事件が彼らの身の周りに次々と起こる。
    「誰が何のために?」混乱と疑心暗鬼の中、根津は煩悶する。
    袂を分かった男たちの軌跡が再び交差する時、戦中、戦後を生きた人間の業と事件の真相が明らかになるー。
    昭和の時代と風俗を克明に描写した熱き犯罪小説。
    (「BOOK」データベースより)

    第10位第10位オルゴーリェンヌ
    (75点)


    著者:北山猛邦

    書物が駆逐される世界。
    旅を続ける英国人少年クリスは、検閲官に追われるユユと名乗る少女と出会う。
    追い詰められた二人を救おうと、突如現れた少年検閲官エノ。
    三人は、少女が追われる原因となった“小道具”をいち早く回収すべく、オルゴールを作り続ける海墟の洋館に向かったが…。
    そこで彼らを待っていたのはオルゴール職人たちを標的にした連続不可能殺人だった!
    先に到着していたもう一人の少年検閲官カルテの支配下に置かれた場所で、三人は犯人を突き止めるべく、トリックの解明に挑む。
    待望の“少年検閲官”シリーズ最新作。
    (「BOOK」データベースより)

    史上初の2年連続第1位に輝いた米澤穂信!

    2016年版『このミス』第1位は、史上初!
    2年連続での選出となった米澤穂信『王とサーカス』でした。
    多くの有力者を抑えての受賞に、今乗りに乗っている著者の活躍ぶりが伺えます。

    ただ、圧倒的な得票というわけではなく、第2位である深緑野分『戦場のコックたち』とはわずか19点差。
    以下の作品もそれほど点数の差は見られず、良作が揃った一年であったと言えるでしょう。

    前年は実力派が名を連ねたランキングも、本年は深緑野分を始め、柚月裕子、倉知淳、深水黎一郎、北山猛邦らが初のトップ10入りを果たし、新たな時代の幕開けを感じさせます。

    < 前年(2015年版) 翌年(2017年版) >

  • 第11位 ⇒ 第20位

    第11位第11位鳩の撃退法
    (71点)


    著者:佐藤正午

    かつての売れっ子作家・津田伸一は、いまは地方都市で暮らしている。
    街で古書店を営んでいた老人の訃報が届き形見の鞄を受け取ったところ、中には数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千万円を超える現金が詰め込まれていた。
    「あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ」転がりこんだ大金に歓喜したのも束の間、思いもよらぬ事実が判明する。
    偽札の動向には、一年前に家族三人が失踪した事件など、街で起きる騒ぎに必ず関わっている裏社会の“あのひと”も目を光らせていた。
    (「BOOK」データベースより)

    第12位第12位影の中の影
    (64点)


    著者:月村了衛

    人民解放軍による悪魔の所業から逃れ、日本に潜伏中のウイグル人亡命団と、事件を追う女性ジャーナリストが襲われた。
    証拠隠滅をはかるべく送り込まれた中国の刺客。
    それを黙認する弱腰の日本政府と警察。
    絶体絶命の亡命団に、謎の男が救いの手をさしのべた。
    頭脳明晰、身体屈強。
    ロシア武術を極め、情報機関にも裏社会にも怖れられる存在ー。
    こいつは一体何者なのか?
    その手がかりは、謎の言葉「カーガー」。
    (「BOOK」データベースより)

    第13位第13位死と砂時計
    (49点)


    著者:鳥飼否宇

    世界各国から集められた死刑囚を収容する、ジャリーミスタン終末監獄。
    親殺しの罪で収監されたアラン青年は、“監獄の牢名主”と呼ばれる老人シュルツと出会う。
    明晰な頭脳を持つシュルツの助手となって、監獄内の事件の捜査に携わるアラン。
    死刑執行前夜、なぜ囚人は密室状態の独房で斬殺されたのか?
    どうして囚人は闇夜ではなく、人目につく満月の夜に脱獄したのか?そして、アランが罪に問われた殺人事件の真相とは…。
    死刑囚の青年と老人が遭遇する、摩訶不思議な事件の数々。
    終末監獄を舞台に奇想と逆説が横溢する、著者渾身の本格ミステリ。
    (「BOOK」データベースより)

    第14位第14位その可能性はすでに考えた
    (48点)


    著者:井上真偽

    かつて、カルト宗教団体が首を斬り落とす集団自殺を行った。
    その十数年後、唯一の生き残りの少女は事件の謎を解くために、青髪の探偵・上笠丞と相棒のフーリンのもとを訪れる。
    彼女の中に眠る、不可思議な記憶。
    それは、ともに暮らした少年が首を斬り落とされながらも、少女の命を守るため、彼女を抱きかかえ運んだ、というものだった。
    首なし聖人の伝説を彷彿とさせる、その奇蹟の正体とは…!?
    探偵は、奇蹟がこの世に存在することを証明するため、すべてのトリックが不成立であることを立証する!!
    (「BOOK」データベースより)

    第15位第15位生還者
    (47点)


    著者:下村敦史

    ヒマラヤ山脈東部のカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、4年前に登山をやめたはずの兄が34歳の若さで命を落とした。
    同じ山岳部出身の増田直志は、兄の遺品のザイルが何者かによって切断されていたことに気付く。
    兄は事故死ではなく何者かによって殺されたのかー?
    相次いで二人の男が奇跡の生還を果たすが、全く逆の証言をする。
    どちらの生還者が真実を語っているのか?兄の死の真相を突き止めるため、増田は高峰に隠された謎に挑む!
    新乱歩賞作家、3作目の山岳ミステリー!
    (「BOOK」データベースより)

    第16位第16位東京結合人間
    (45点)


    著者:白井智之

    男と女が互いの身体を結合させ、結合人間となって特殊な生殖を行う世界。
    この結合の過程でときおり、一切嘘がつけない結合人間=オネストマンが生まれる。
    オネストマンの圷はある日、高額な求人に目をとめる。
    オネストマン7人の共同生活を撮影する映画の出演者を募集するというのだ。
    報酬目当てで参加した圷は、他の参加者たちと孤島に向かう。
    しかし、撮影クルーは海上で姿を消し、オネストマン7人だけで一夜を明かした翌朝、孤島の住人親子が死体で発見された。
    容疑者7人は嘘をつけないはずだが、なぜか全員が犯行を否定。
    圷は推理を試みるが、新たな犠牲者が出てしまいー。
    (「BOOK」データベースより)

    第17位第17位フィルムノワール/黒色影片
    (44点)


    著者:矢作俊彦

    神奈川県警の嘱託・二村永爾は、1本の映画フィルムの行方を追って、香港へ飛んだ。
    それは、ある殺し屋がモデルとなった、封印された映画だった。
    幻の黒色影片(暗黒フィルム)を巡り、立て続けに巻き起こる射殺事件。
    二村の前に現われた気高き女優と、謎の映画プロデューサー、そしてゲルニカ拳銃の銃口。
    横浜、長春、香港ー複雑な過去と現在が交錯してゆく。
    (「BOOK」データベースより)

    第18位第18位新しい十五匹のネズミのフライ
    (42点)


    著者:島田荘司

    「赤毛組合」の犯人一味が脱獄した!
    ワトソン博士のもとに、驚天動地の知らせが舞い込んだ。
    だが肝心のホームズは重度のコカイン中毒で幻覚を見る状態…。
    犯人たちの仰天の大計画とは。
    その陰で囁かれた謎の言葉「新しい十五匹のネズミのフライ」とは。
    そして「赤毛組合」事件の書かれざる真相とは。
    果たして、われらがホームズが復活する時は来るのかー。
    さまざまなホームズ作品のエッセンスを、英国流のユーモアあふれる冒険譚に昇華させた大作。
    (「BOOK」データベースより)

    第19位第19位キャプテンサンダーボルト
    (40点)


    著者:阿部和重伊坂幸太郎

    世界を救うために、二人は走る。
    東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29。
    公開中止になった幻の映画。
    迫りくる冷酷非情な破壊者。
    すべての謎に答えが出たとき、カウントダウンがはじまった。
    二人でしか辿りつけなかった到達点。
    前代未聞の完全合作。
    (「BOOK」データベースより)

    第19位第19位赤い博物館
    (40点)


    著者:大山誠一郎

    企みを、看破せよー!
    キャリアながら“警視庁付属犯罪資料館”の館長に甘んじる謎多き美女と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい巡査部長。
    図らずも「迷宮入り、絶対阻止」に向けて共闘することになった二人が挑む、難事件。
    予測不能の神業トリックが冴え渡る、著者初の本格警察小説!!
    (「BOOK」データベースより)

    第19位第19位黒野葉月は鳥籠で眠らない
    (40点)


    著者:織守きょうや

    法の奥深くへ分け入り、新米弁護士木村と先輩高塚のコンビが知る、四つの秘密。
    加害者も、被害者もー相談者たちは、一様に何かを隠している。
    実力派新人が放つ、鮮烈な読後感の表題作を含む連作リーガル・ミステリー!
    (「BOOK」データベースより)

    第19位第19位犬の掟
    (40点)


    著者:佐々木譲

    急行する捜査車両、轟く銃声。
    過去の事件が次々と連鎖し、驚愕のクライマックスへ!
    比類なき疾走感で描く緊迫の40時間。
    衝撃の警察小説。
    (「BOOK」データベースより)

    月村了衛も好調。新鋭の井上真偽、白井智之らにも注目。

    第11位と惜しくも4点差でトップ10入りを逃したのは佐藤正午『鳩の撃退法』。
    ランクインは2009年度版『このミス』の第22位『身の上話』以来であり、自己最高順位となりました。

    前年に続き多くの得票を集めたのは月村了衛。
    第12位、第32位にランクインするなど変わらずの評価を得ています。
    また、阿部和重と伊坂幸太郎の人気作家がタッグを組んだ『キャプテンサンダーボルト』が第19位にランクイン。

    そして、メフィスト賞作家・井上真偽、問題作『東京結合人間』でランクインした白井智之、弁護士と作家の二つの顔を持つ織守きょうやらの作品にも注目。

    < 前年(2015年版) 翌年(2017年版) >

  • 第21位 ⇒ 第30位

    第23位第23位槐(エンジュ)
    (39点)


    著者:月村了衛

    弓原公一が部長を務める水楢中学校野外活動部は、夏休み恒例のキャンプに出かけた。
    しかしその夜、キャンプ場は武装した半グレ集団・関帝連合に占拠されてしまう。
    彼らの狙いは場内のどこかに隠された四十億円ー振り込め詐欺で騙し取ったものだ。
    関帝連合内部の派閥争いもあり、現金回収を急ぐリーダー・溝淵はキャンプ場の宿泊客を皆殺しにし、公一たちは囚われの身に…。
    そのとき、何者かが関帝連合に逆襲を始めた!圧倒的不利な状況で、罪なき少年少女は生き残ることができるのか!?
    (「BOOK」データベースより)

    第23位第23位ビッグデータ・コネクト
    (39点)


    著者:藤井太洋

    京都府警サイバー犯罪対策課の万田は、ITエンジニア誘拐事件の捜査を命じられた。
    協力者として現れたのは冤罪で汚名を着せられたハッカー、武岱。
    二人の捜査は進歩的市長の主導するプロジェクトの闇へと…。
    行政サービスの民間委託計画の陰に何が?ITを知りつくした著者が描くビッグデータの危機。
    新時代の警察小説。
    (「BOOK」データベースより)

    第25位第25位消滅
    (37点)


    著者:恩田陸

    202X年9月30日の午後。日本の某空港に各国からの便が到着した。
    超巨大台風の接近のため離着陸は混乱、さらには通信障害が発生。
    そして入国審査で止められた11人(+1匹)が、「別室」に連行される。
    この中に、「消滅」というコードネームのテロを起こす人物がいるというのだ。
    世間から孤絶した空港内で、緊迫の「テロリスト探し」が始まる!
    読売新聞好評連載小説、ついに単行本化。
    (「BOOK」データベースより)

    第26位第26位星読島に星は流れた
    (35点)


    著者:久住四季

    天文学者サラ・ディライト・ローウェル博士は、自分の住む孤島で毎年、天体観測の集いを開いていた。
    ネット上の天文フォーラムで参加者を募り、招待される客は毎年、ほぼ異なる顔ぶれになるという。
    それほど天文には興味はないものの、家庭訪問医の加藤盤も参加の申し込みをしたところ、凄まじい倍率をくぐり抜け招待客のひとりとなる。
    この天体観測の集いへの応募が毎回凄まじい倍率になるのには、ある理由があった。
    孤島に上陸した招待客たちのあいだに静かな緊張が走るなか、滞在三日目、ひとりが死体となって海に浮かぶ。
    犯人は、この六人のなかにいるー。
    奇蹟の島で起きた殺人事件を、俊英が満を持して描く快作長編推理!
    (「BOOK」データベースより)

    第27位第27位太宰治の辞書
    (33点)


    著者:北村薫

    水を飲むように本を読む“私”は、編集者として時を重ね、「女生徒」の謎に出会う。
    太宰は、“ロココ料理”で、何を伝えようとしたのか?
    “円紫さん”の言葉に導かれて、“私”は創作の謎を探る旅に出るー。
    時を重ねた“私”に会える、待望のシリーズ最新作。
    (「BOOK」データベースより)

    第28位第28位中野のお父さん
    (32点)


    著者:北村薫

    出版界に秘められた“日常の謎”は解けるのか!?
    体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父。
    (「BOOK」データベースより)

    第29位第29位陽気なギャングは三つ数えろ
    (28点)


    著者:伊坂幸太郎

    陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、消えたアイドル宝島沙耶を追う火尻を、暴漢から救う。
    だが彼は、事件被害者のプライバシーをもネタにするハイエナ記者だった。
    正体に気づかれたギャングたちの身辺で、当たり屋、痴漢冤罪などのトラブルが頻発。
    蛇蝎のごとき強敵の不気味な連続攻撃で、人間嘘発見器成瀬ら面々は断崖に追いつめられた!
    必死に火尻の急所を探る四人組に、やがて絶対絶命のカウントダウンが!
    人気シリーズ、9年ぶりの最新作!
    (「BOOK」データベースより)

    第29位第29位デブを捨てに
    (28点)


    著者:平山夢明

    “シュール”かつ“泥沼”のような状況を乾いた“ユーモア”とともにお届けする、異才の作家・平山夢明“最悪劇場”全四話。
    (「BOOK」データベースより)

    第31位第31位千葉淳平探偵小説選
    (27点)


    著者:千葉淳平

    密室トリックに意欲を見せた作家。
    休刊直前の雑誌『幻影城』が予告して幻に終わった特集作家の創作を初集成。
    週刊誌連載の異色作“女シリーズ”併録。
    (「BOOK」データベースより)

    久住四季はラノベ作家からミステリ作家へ転身か。平山夢明『デブを捨てに』はインパクト大!

    第26位には久住四季『星読島に星は流れた』がランクイン。
    ライトノベル『トリックスターズ』シリーズが人気を博した作家がミステリに挑戦。
    このままミステリ界に旋風を巻き起こすのでしょうか。

    第27位、第28位と連続でランクインした北村薫。
    2010年度版『このミス』にて第11位に『鷺と雪』でランクインして以来、6年ぶりの選出となりました。

    超絶なインパクトを与えたのは平山夢明『デブを捨てに』。
    そのタイトル、そして表紙に注目。
    店頭に並んでいたら、思わず手にしてしまいそうな作品です。

    < 前年(2015年版) 翌年(2017年版) >

  • 第31位 ⇒ 第40位

    第32位第32位インドクリスタル
    (26点)


    著者:篠田節子

    人工水晶の製造開発会社の社長・藤岡は、惑星探査機用の人工水晶の核となるマザークリスタルを求め、インドの寒村に赴く。
    宿泊先で使用人兼売春婦として働いていた謎めいた少女ロサとの出会いを機に、インドの闇の奥へと足を踏み入れてゆく。
    商業倫理や契約概念のない部族相手のビジネスに悪戦苦闘しながら直面するのは、貧富の格差、男尊女卑、中央と地方の隔たり、資本と搾取の構造ーまさに世界の縮図というべき過酷な現実だった。
    そして採掘に関わる人々に次々と災いが起こり始める。
    果たしてこれは現地民の言う通り、森の神の祟りなのか?
    古き因習と最先端ビジネスの狭間でうごめく巨大国家を、綿密な取材と圧倒的筆力で描きだした社会派エンタメ大作。
    構想10年、怒涛の1250枚!
    (「BOOK」データベースより)

    第32位第32位機龍警察 火宅
    (26点)


    著者:月村了衛

    最新型特殊装備“龍機兵”を擁する警視庁特捜部は、警察内部の偏見に抗いつつ国際情勢のボーダーレス化に連れて変容する犯罪に日夜立ち向かうー
    由起谷主任が死の床にある元上司の秘密に迫る表題作、特捜部入りする前のライザの彷徨を描く「済度」、疑獄事件捜査の末に鈴石主任が悪夢の未来を幻視する「化生」など、吉川英治文学新人賞&日本SF大賞受賞の“至近未来”警察小説、珠玉の傑作短篇集。
    (「BOOK」データベースより)

    第34位第34位教団X
    (25点)


    著者:中村文則

    謎のカルト教団と革命の予感。
    自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。
    絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。
    神とは何か。運命とは何か。
    絶対的な闇とは、光とは何か。
    著者最長にして圧倒的最高傑作。
    (「BOOK」データベースより)

    第35位第35位ナオミとカナコ
    (24点)


    著者:奥田英朗

    ナオミとカナコの祈りにも似た決断に、やがて読者も二人の“共犯者”になる。
    望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。
    夫の酷い暴力に耐える専業主婦の加奈子。
    三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に追いつめられた二人が下した究極の選択…。
    「いっそ、二人で殺そうか。
    あんたの旦那」復讐か、サバイバルか、自己実現かー。
    前代未聞の殺人劇が、今、動き始める。
    比類なき“奥田ワールド”全開!
    (「BOOK」データベースより)

    第35位第35位虹の歯ブラシ 上木らいち発散
    (24点)


    著者:早坂吝

    上木らいちは様々な客と援交している高校生で、名探偵でもある。
    殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、密室内で腕を切断され殺された教祖、隣人のストーカーによる盲点をつく手口ー
    数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。
    その驚くべき秘密が明かされる時、本格ミステリはまた新たな扉を開く!
    さらに過激で、さらに斬新な傑作誕生!!
    「奇才」による待望のメフィスト賞受賞第1作!
    (「BOOK」データベースより)

    第35位第35位勁草
    (24点)


    著者:黒川博行

    橋岡は「名簿屋」の高城に雇われていた。
    名簿屋とはオレオレ詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。
    橋岡は被害者から金を受け取る「受け子」の手配も任されていた。
    騙し取った金の大半は高城に入る仕組みで、銀行口座には金がうなっているのだ。
    賭場で借金をつくった橋岡と矢代は高城に金の融通を迫るが…。
    一方で大阪府警特殊詐欺班の刑事たちも捜査に動き出していた。
    最新犯罪の手口を描き尽くす問題作!
    直木賞作家、迫真の犯罪サスペンス。
    (「BOOK」データベースより)

    第35位第35位記憶破断者
    (24点)


    著者:小林泰三

    頼りになるのは、ノートだけ。
    記憶がもたない男は、記憶を書き換える殺人鬼に勝てるのか?
    見覚えのない部屋で目覚めた二吉。
    目の前には一冊のノート。
    そこに記されていたのは、自分が前向性健忘症であることと「今、自分は殺人鬼と戦っている」ということだった。
    殺人鬼は、人に触れることで記憶を改竄する能力を持っていた。
    周囲は誰も気がつかない中、その能力に気がついた二吉に、殺人鬼の脅威が迫り来る。
    絶対絶命の中、記憶がもたない二吉は、いったいどういう方法で、殺人鬼を追いつめるのか?
    二人の勝負の行方は?
    (「BOOK」データベースより)

    第39位第39位雪炎
    (23点)


    著者:馳星周

    三基の原発が立地する北海道・道南市。
    3・11から一年後の市長選挙に、原発の廃炉を公約に掲げる弁護士・小島が出馬した。
    何百億円もの原発利権に群がる者たちの策謀、暗闘に対し、選挙スタッフの和泉は、公安警察官時代の経験で対抗。
    しかし、そんな彼らに悲惨な事件が襲いかかったー。
    (「BOOK」データベースより)

    第39位第39位悲素
    (23点)


    著者:帚木蓬生

    悲劇は、夏祭りから始まったー。
    多くの犠牲者を出した砒素中毒事件。
    地元刑事の要請を受け、ひとりの医師が、九州から和歌山へと向かった。
    医師と刑事たちは地を這うように、真実へと近づいていくがー。
    現役医師の著者にしか描きえない、「鎮魂」と「怒り」に満ちた医学ミステリーの最高峰!
    (「BOOK」データベースより)

    第39位第39位猫に知られるなかれ
    (23点)


    著者:深町秋生

    ベストセラー作家・深町秋生が5年ぶりの単行本で描く戦後占領下のスパイアクション!!
    この国の未来のため、俺たちは再び銃を取るーー。
    敗戦後の占領下(オキュパイド・ジャパン)での僅かな自由と尽きぬ貧困の中、日本の再独立と復興のため、国際謀略戦に対抗するべく、極秘裏に設立された組織があった。
    吉田茂の右腕・緒方竹虎が設立した秘密機関と異能の男たちは、《Cedant Arma Togae》、通称、「CAT」と呼ばれたーー。
    Cedant arma togae, concedat laurea laudi.武具は市民服に従うべし、月桂冠は文民の誉れに譲るべし。
    キケロー「義務について」より
    (「Amazon.co.jp」より)

    昭和中期の作家、千葉淳平がランクイン。2015年版で話題となった早坂吝も。

    第31位には千葉淳平『千葉淳平探偵小説選』が選出されました。
    千葉淳平とは昭和30年代にほんの一時的に活躍した作家だそうですが、現役を知る方は少なそうです。

    また、第32位には第12位に続いて月村了衛の人気シリーズである『機龍警察』シリーズ最新作がランクイン。
    月村了衛の作品は他には類を見ないSF警察小説だけに、今後もランクインを続けるでしょう。

    第35位には、2015年度版『このミス』にて話題となった『○○○○○○○○殺人事件』の著者である早坂吝の『虹の歯ブラシ 上木らいち発散』がランクインし、またしてもその才能を発揮しました。
    早逝の天才・伊藤計劃に替わる鬼才となりえるでしょうか。

    < 前年(2015年版) 翌年(2017年版) >

  • 第41位 以下

    第42位第42位東京帝大叡古教授
    (22点)


    著者:門井慶喜

    最高学府で連続殺人!
    謎を解くのは天才哲学者「ウンベルト・エーコ」ならぬ天才政治学者「ウノベ・エーコ」。
    他を圧する「知の巨人」が開示していく事件の真相は、まさに予測不能。
    ラストは鳥肌モノ!!
    (「BOOK」データベースより)

    第42位第42位約束 K・S・Pアナザー
    (22点)


    著者:香納諒一

    激情で人を殺め、服役中に消息を絶った婚約者と息子を探す秀夫。
    だが、伝手となるオジの慈郎は凶刃に倒れる。
    さらに現場から、故郷の街で起きたNPO横領事件の内幕を記すノートと大金の入った鞄が、少年康昊に持ち逃げされた。
    回収のため悪徳刑事天明谷を遣う殺人者の一味や、匂いを嗅ぎつけた冷酷な金貸し智勲の追跡が激しさを増す中、危機を救った秀夫に、少年は山分けを主張する。
    新宿の闇に、欲と野望の火花が炸裂したとき、秀夫と康昊の絆が呼ぶ結末は?著者の人気警察小説シリーズ、特別長編!
    (「BOOK」データベースより)

    第42位第42位朝が来る
    (22点)


    著者:辻村深月

    「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。
    電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、だが、確かに息子の産みの母の名だった…。
    子を産めなかった者、子を手放さなければならなかった者、両者の葛藤と人生を丹念に描いた、感動長篇。
    (「BOOK」データベースより)

    第42位第42位君の隣に
    (22点)


    著者:本多孝好

    横浜・伊勢佐木町で風俗店『ピーチドロップス』を営む大学生・早瀬俊。
    彼は進藤翼という少女と二人で暮らしていた。
    深い翳を宿す青年・早瀬と、非の打ち所がない少女・翼。
    店の常連客、翼の担任教師、老いた元警官など周囲の人物たちから、少しずつ早瀬と翼の秘密が明かされていくー。
    埋めることのできない「喪失」。
    「生と死」を描いてきた著者が投げかける新たな傑作!
    この物語の行く末は?驚嘆のミステリー!!
    (「BOOK」データベースより)

    第42位第42位化石少女
    (22点)


    著者:麻耶雄嵩

    京都の名門学園に続発する凄惨な殺人事件。
    対するは、マンジュウガニ以上といわれるすべすべ脳みそにして、化石オタクの変人女子高生。
    古生物部の美形部長まりあが、一人きりの男子部員をお供に繰り出す、奇天烈推理の数々!
    (「BOOK」データベースより)

    第47位第47位犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼
    (20点)


    著者:雫井脩介

    警察、犯人、被害者家族ー
    前代未聞の騙し合いが始まる!
    巧妙に仕組まれた“誘拐ビジネス”。
    神奈川県警を嘲笑うかのような闇の犯行に、異色の捜査官・巻島史彦警視が再び立ち向かう。
    累計135万部突破の大ヒット警察小説、待望の第2弾!
    (「BOOK」データベースより)

    第47位第47位惑星カロン
    (20点)


    著者:初野晴

    コンクールと文化祭を経て、ちょっぴり成長した清水南高吹奏楽部。
    さらなる練習に励むハルタとチカのもとに、またもや難題が持ち込まれてー!?
    チカが手に入れた“呪いのフルート”や、あやしい人物からメールで届く音楽暗号、旧校舎で起きた“鍵全開事件”、謎の楽曲「惑星カロン」との出会い…。
    頭脳明晰な美少年ハルタと、元気少女チカの名コンビがおくる珠玉の青春ミステリ!
    (「BOOK」データベースより)

    第47位第47位残夢の骸 満州国演義9
    (20点)


    著者:船戸与一

    多くの日本人が夢見た満州は理想の国家の欠片さえ失なって、重い重い鉄鎖でしかなくなったー
    「ポツダム宣言受諾」「ソ連侵攻」を描く最終巻。
    日本史上、最も激動した20年のすべて。
    著者入魂の7,500枚!四つの視点で描かれる満州クロニクル。
    (「BOOK」データベースより)

    常連組も負けじと多数ランクイン!実力を見せる。

    香納諒一や辻村深月、麻耶雄嵩らの常連組が数多くランクインしました。
    ランクインするだけでも素晴らしいことではありますが、本来はもっと上位に食い込む実力者揃いだけに、今後の活躍に期待です。

    初野晴『惑星カロン』は大人気『ハルチカ』シリーズの最新作。
    2016年にはアニメ化も決定している本シリーズは、さらに人気に拍車がかかること間違い無し!

    < 前年(2015年版) 翌年(2017年版) >

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