『このミステリーがすごい!』非公式サイト 【このミスまとめ】

『このミステリーがすごい!2017年版』 RANKING 2017

第1位に輝いたのは竹本健治『涙香迷宮』!連城三紀彦の未完作を完成させた、まさに奇跡の本格ミステリです。第2位には、若竹七海の「葉村晶シリーズ」最新短編集『静かな炎天』がランクイン。安定の読み応えが魅力です!そして第3位には、米澤穂信の深遠なる短編集『真実の10メートル手前』。米澤作品らしいビターな読後感がたまりません。

🏆 2017年版のハイライト 5選 HIGHLIGHTS

ニューフェイス賞
第 14 位

初ランクインを果たしたのは新星か、
それとも遅咲きのベテランか❓️

長崎 尚志

『パイルドライバー』

パイルドライバー
アンデッドガール・マーダーファルス 1
デザイン賞
第 24 位

思わずジャケ買いしたくなるかも🎵

『アンデッドガール・マーダーファルス 1』

✍ 青崎 有吾
タイトル賞
第 16 位
十二人の死にたい子どもたち

他に類を見ないセンス抜群のタイトル👍️

『十二人の死にたい子どもたち』

✍ 冲方 丁
コスパ賞
第 32 位

コスパ最強はどの作品❓️

1ページあたり 1.8 円!

『亡者たちの切り札』

✍ 藤田 宜永
亡者たちの切り札
ショート賞
第 2 位
静かな炎天

スキマ時間にサクッと読める傑作短編集❗️

『静かな炎天』

✍ 若竹 七海
第1位 129 点
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涙香迷宮 ➔

📖 あらすじ・概要

明治の巨人・黒岩涙香が遺した至難の暗号に、IQ208を誇る天才囲碁棋士・牧場智久が挑む。いろは四十八文字を重複なく使い切ることで成立する「いろは歌」四十八首に秘められた、空前絶後の大暗号。その難解な謎を解き明かしたとき、日本語という言語が持つ圧倒的な構造の美しさと奇跡の全貌が浮かび上がる。

💡 おすすめポイント・見どころ

日本語の遊び心と技巧の極致である「いろは歌」を素材に据えた、前代未聞の言語ミステリ。論理的な謎解きの快感はもちろんのこと、言葉の深遠な可能性と美しさを改めて思い知らせてくれる構成は圧巻のひと言。知的好奇心をこれ以上なく刺激される贅沢な体験がここにある。

第2位 126 点
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静かな炎天 ➔

📖 あらすじ・概要

バスとダンプの衝突事故で消えたバッグをめぐる謎から、30年以上前に失踪した作家を追う調査、さらにはクリスマスイブのオークション会場での奔走まで。不運が重なりながらも決して折れない有能な女探偵・葉村晶の日常に、次々と一筋縄ではいかない厄介な依頼が舞い込む。季節の移ろいとともに繰り広げられる過酷で軽妙な日々。

💡 おすすめポイント・見どころ

どれほど理不尽な状況に追い込まれてもユーモアを失わない、史上最高にタフで愛すべき女性探偵の魅力を存分に堪能できるシリーズ第4弾。各編に散りばめられた多彩なミステリへのオマージュや、粋な薀蓄の数々が物語に豊かな奥行きを与えており、ミステリファンなら思わずニヤリとさせられること間違いなし。

第3位 122 点
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真実の10メートル手前 ➔

📖 あらすじ・概要

高校生の男女が命を落とした「恋累心中」と呼ばれる心中事件の真相を追うため、週刊深層編集部の都留はフリージャーナリストの太刀洗万智と合流する。しかし、取材を進めるうちに事件のあり様に奇妙な違和感が芽生え始める。他人の痛みを引き受けながらも冷静に真実を見据え続ける太刀洗の眼差しが、事件の隠された輪郭を暴き出す。

💡 おすすめポイント・見どころ

人間の業や滑稽な妄執の裏側にある真実を、容赦なく光に晒すジャーナリストの姿勢が冷徹かつ鮮烈に描かれる。事件をただ解決するのではなく、そこに生きた人間の痛みに寄り添いながら核心へと迫るプロセスは、極上のミステリであると同時に深く胸を打つ人間ドラマとしても機能している。

第4位 116 点
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半席 ➔

📖 あらすじ・概要

真面目に勤め上げてきた老年の侍がなぜ突然の刃傷沙汰を起こしたのか。歴とした家筋の武士が堪えきれなくなった積年の思いとは何だったのか。若き徒目付・片岡直人は、武家社会の表向きの論理からは決して見えない、腑に落ちぬ事件に隠された「真の動機」をあぶり出すよう命じられる。男たちの胸奥に渦巻く鬱屈と人生の始末が静かに照らし出される。

💡 おすすめポイント・見どころ

武家社会という厳格な枠組みの中で、組織の論理と個人の感情の板挟みになりながらも生きる人々の姿を生々しく切り取る。派手な立ち回りではなく、事件の背後にある「動機」の機微を鋭い観察眼で解きほぐしていくプロセスは、大人の読者にこそ響く静かな感動と深い余韻を残す。

許されようとは思いません ➔

📖 あらすじ・概要

かつて祖母が暮らしていた村を訪れた「私」。祖母は余命わずかだった曾祖父を惨殺し、村から永遠に追放された過去を持っていた。彼女はいったいなぜ、自らの手で親族の命を奪うに至ったのか。人間の内に潜む暗い衝動と悲劇を描いた表題作をはじめ、追い詰められた女たちの選択を端整な筆致と鮮やかなレトリックで浮かび上がらせる。

💡 おすすめポイント・見どころ

一見して美しい文章と穏やかな日常の裏側に、読者の予測を完全に粉砕する毒と罠が仕掛けられている。物語のラストで明かされる真相は、あまりにも静かで、それゆえに強烈な衝撃を脳裏に焼き付ける。人間の心の底にある底知れぬ闇を覗き見るような、背筋が凍るほどの知的スリルを味わえる。

リボルバー・リリー ➔

📖 あらすじ・概要

関東大震災後の帝都。かつて各国大使館から恐れられた伝説の美しき諜報員・小曽根百合は、消息を断ち静かに暮らしていた。しかし、消えた陸軍資金の鍵を握る少年・細見慎太との出会いが彼女を再び戦場へと還らせる。追うのは帝国陸軍の精鋭たち。圧倒的な戦力差の中、硝煙と絶望にまみれたたった二人の六日間戦争が幕を開ける。

💡 おすすめポイント・見どころ

極限の状況下で繰り広げられるアクションの疾走感と、美しき主人公の圧倒的な佇まいに息を呑む。圧倒的な物量を持つ帝国陸軍を相手に、たった二人で立ち向かう構図だけでもアドレナリンが噴き出します。関東大震災直後の退廃的な東京の空気感、緊迫感漂う銃撃戦の描写はまさに映像的。重厚な歴史の裏側で繰り広げられる、生き様を賭けた戦いの美しさに心底しびれるノンストップ・エンターテインメントです!

罪の声 ➔

📖 あらすじ・概要

京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品からカセットテープとノートを発見する。再生された幼いころの声は、三一年前の未解決事件「ギン萬事件」の恐喝に使われた音声と完全に一致していた。事件の真相を追う新聞記者と、自分の声が使われた「男」がたどり着いた驚愕の真実とは。昭和最大の闇に挑む圧倒的長編ミステリー。

💡 おすすめポイント・見どころ

未解決事件の音声に自分の幼いころの声が使われていたという、悪夢のような起点から物語の歯車が狂い出します。単なる犯人探しにとどまらず、歴史の闇に翻弄された家族の業や葛藤を徹底的な取材に基づくリアリティで描き切った筆力は圧巻の一言。ページをめくる手を止められなくなるほどの重層的なサスペンスと、すべての線が一点に収束するカタルシスをぜひ味わってください。

おやすみ人面瘡 ➔

📖 あらすじ・概要

全身に顔が発症する奇病「人瘤病」が蔓延する日本。かつて感染爆発があった街の墓地管理施設で、患者の顔が潰され地下室で少女が殺害される事件が発生する。容疑者である四人の中学生を追う中で、真相を見抜いた男が急死してしまう。しかし、死んだはずの男の身体に発症した複数の「顔」が突如として語り出し、異常な推理戦が始まる。

💡 おすすめポイント・見どころ

奇病によるディストピア的な世界観と、前代未聞の死体による推理という禁断のアイディアが融合した問題作。死者の身体に現れた「顔」が喋り出すという悪趣味かつ強烈なシチュエーションだけでも必見です。論理の隙を突き詰める本格ミステリとしての骨格は非常に堅牢でありながら、倫理観を揺さぶるグロテスクで不条理な展開に脳みそが痺れること間違いなしの強烈な読書体験をお約束します。

希望荘 ➔

📖 あらすじ・概要

妻の不倫と離婚により今多コンツェルンの仕事を失い、私立探偵として再起を図る杉村三郎。そんな彼の元に、亡き父が生前に「昔、人を殺した」と告白した真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。三十五年前の殺人事件の関係者を洗ううち、昨年に起きた別の女性殺人事件を解決する驚愕のカギが浮かび上がり、人間の業と絶望の淵が露わになる。

💡 おすすめポイント・見どころ

人生のどん底から這い上がろうとする男の姿を通し、人間の心の闇と救済の本質をえぐり出す人間ドラマの傑作。過去の小さな告白と現代の事件が交錯する構成の妙はもちろん、登場人物たちが抱える割り切れない感情の機微がリアルに胸に迫ります。ただの謎解きでは終わらない、宮部みゆき氏ならではの深い洞察力に満ちた物語の深みに、心ゆくまで浸ってください。

第10位 74 点
📖 作品詳細 ➔

ジェリーフィッシュは凍らない ➔

📖 あらすじ・概要

特殊技術で開発された小型飛行船ジェリーフィッシュ。その発明者ら六人のメンバーが長期航空試験に臨む中、密室状態の艇内で一人が死体となって発見される。さらに自動航行プログラムの暴走によって試験機は雪山に孤立し、脱出不能の状況下で次々と犠牲者が重なる。極限の状況で繰り広げられる、新時代の閉じられた空間の連続殺人劇。

💡 おすすめポイント・見どころ

孤立した巨大飛行船という唯一無二のクローズド・サークルが創り出す、逃げ場のない閉塞感がたまらない本格ミステリ。極限状態での心理描写と、綿密に張り巡らせた伏線が完璧に回収されていくロジックの美しさは新人のデビュー作とは思えないほどの完成度です。誰もが疑心暗鬼に陥るデス・ゲームの緊迫感と、最後に訪れる鮮やかな真相の提示に一気に引き込まれます。

第11位 67 点
📖 作品詳細 ➔

聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた ➔

📖 あらすじ・概要

聖女伝説が残る地方の結婚式で、同じ盃を回し飲みした八人と一匹のうち三人だけが死亡するという不可解な毒殺事件が発生する。中国人美女のフーリンと少年探偵・八ツ星が捜査に乗り出し、数多の推理と論理的否定の果てに真犯人が名乗り出る。しかし、青髪の探偵・上苙は、さらなる奇蹟の実在を証明しようと独自の論理を展開する。

💡 おすすめポイント・見どころ

「あらゆる推理の可能性」を徹底的に叩き潰していくメタ的なアプローチが、ミステリファンの知的好奇心をこれでもかと刺激します。物理的・論理的にあり得ない状況下で繰り広げられる、探偵たちの知的格闘技の切れ味は抜群です。既存の謎解き小説の枠を軽々と飛び越えていくような、圧倒的な知的遊戯と鮮やかな論理の逆転劇をぜひ堪能してください。

第12位 65 点
📖 作品詳細 ➔

挑戦者たち ➔

📖 あらすじ・概要

古今東西の名作のエッセンスに彩られ、パロディやクイズ、迷路までをも内包した異色のミステリ万華鏡。ブッキッシュで過剰な仕掛けと洒脱な文体遊戯が全編を貫き、読者の常識を次々と粉砕していく。博覧強記の作家が仕掛けた、ミステリマニアの知的好奇心を限界まで試す究極の知的罠であり、挑戦的な実験作の数々が読者を圧倒する。

💡 おすすめポイント・見どころ

ミステリというジャンルへの愛と遊び心が全ページから溢れ出している、尖りすぎた実験的短編集です。一筋縄ではいかない多重構造や、遊び心に満ちた仕掛けの数々は、読んでいるうちに知的な快感で頭がくらくらするほど。定石を完全に無視した自由奔放な構成と、随所に仕込まれたマニアックなネタの数々にニヤリとさせられる、挑戦的な読書を楽しみたい方に最適です。

第13位 62 点
📖 作品詳細 ➔

望み ➔

📖 あらすじ・概要

東京のベッドタウンで平和に暮らす石川一登と妻の貴代美。高校生の息子・規士が夏休み明けから行方不明となり、やがて友人が殺害された事件の犯人として逃走中であるという報道が飛び込む。息子は本当に殺人犯なのか、それとも被害者なのか。息子の無実を願う父と、犯人であっても生きていてほしいと願う母の引き裂かれるような思いが交錯する。

💡 おすすめポイント・見どころ

「我が子が殺人犯かもしれない」という想像を絶する恐怖と、家族の絆の脆さをリアルに描いた心理サスペンスの傑作。正義を信じたい父親と、どんな形でも生存を望む母親の間で揺らぐ心理描写があまりにも生々しく、読者をも深い葛藤の渦へと引きずり込みます。事件の真相が明らかになっていく過程で突きつけられる重い問いに、ページをめくる手が重くなるほどの衝撃を味わえます。

第14位 58 点
📖 作品詳細 ➔

パイルドライバー ➔

📖 あらすじ・概要

十五年の時を経て再び動き出した一族惨殺事件の影。難解な謎がすべて解き明かされたかに見えた瞬間、さらなる予想外の真実が重層的に浮かび上がる。現代の感覚を持つ刑事と伝説の元刑事という異色のコンビが、執念の捜査で事件の深部へと迫る。人間の狂気と警察組織の裏側を描き切った、予測不能の衝撃に満ちた警察ミステリー。

💡 おすすめポイント・見どころ

ベテラン刑事と若手刑事が織りなす絶妙な掛け合いが生み出す、ハードボイルドな空気感が物語に強烈なアクセントを与えています。一度は解決したかに見えた事件が二転三転し、読者の予想を完璧に裏切り続けるプロットの緻密さはさすがの一言。事件の裏に隠された哀しい真実が明かされたとき、胸を打たれるような余韻が残る硬派な警察小説です。

第15位 47 点
📖 作品詳細 ➔

誰も僕を裁けない ➔

📖 あらすじ・概要

援交探偵として知られる上木らいちの元に、名門企業の社長からメイドとしての雇用の手紙が届く。彼女が赴いた東京都内の異形の館では、一族を狙った連続殺人が幕を開ける。一方、埼玉県に住む高校生・戸田公平は、資産家令嬢の埼と出会い、彼女の家に深夜招かれたことで不可解な逮捕劇に巻き込まれる。法と正義の境界線を問い直す前代未聞の物語。

💡 おすすめポイント・見どころ

エロティシズムと社会派ミステリという本来交わらないはずの要素を奇跡的なバランスで融合させた、強烈なインパクトを残す話題作。一癖も二癖もあるキャラクターたちが織りなす不条理なドラマと、容赦なく突きつけられる現代社会の歪みが絶妙にマッチしています。ただの猟奇的な事件にとどまらない、人間の尊厳と正義の本質を問う意欲的な構成に、最後まで目が離せません。

第16位 46 点
📖 作品詳細 ➔

虹を待つ彼女 ➔

📖 あらすじ・概要

死者を人工知能として蘇らせるプロジェクトに参加した研究者の工藤は、六年前に対象少女の不審な自殺事件の影に直面する。美貌のゲームクリエイターとして狂信的な人気を誇った彼女の人格に触れるうち、奇妙な引力を感じていく工藤。やがて謎の恋人の存在が浮上し、調査を妨害する脅迫状が届く。遺された未発表のゲームに隠された真相を追う彼の前に、予測不能な危険が迫る。

💡 おすすめポイント・見どころ

気鋭のプログラミング技術と孤独な魂が交錯する先にあるのは、かつてない知性と情感の融合です。死者とAIの境界線が曖昧になる近未来の設定を下敷きにしつつ、個人の記憶と秘密が暴かれていくミステリとしての推進力が圧倒的。単なるSFの枠に収まらず、生と死の意味を根本から問い直す重層的なストーリーに心奪われます。

第16位 46 点
📖 作品詳細 ➔

十二人の死にたい子どもたち ➔

📖 あらすじ・概要

廃病院の密室に集まった初対面の十二人の少年少女。彼らの共通の目的は、円滑な安楽死を実行することにあった。しかし、用意されたベッドにはすでに身元不明の先客の死体が横たわっていた。自殺か他殺かも分からない不測の事態に混乱しつつ、「全員一致」という原則に従って彼らは推理を開始する。個々の思惑と隠された背景が交錯する中、議論は予測不能な真相へと突き進む。

💡 おすすめポイント・見どころ

安楽死という極限のテーマを掲げながら、密室劇としてのスリルと鮮やかな論理的逆転劇が見事に両立しています。閉ざされた空間で交わされる剥き出しの対話は、登場人物一人ひとりの輪郭を鋭く浮き彫りにし、緊迫感と瑞々しい切なさを同時にもたらします。閉塞感漂う現代に一石を投じる、知性に満ちた濃密な心理戦です。

第16位 46 点
📖 作品詳細 ➔

彼女がエスパーだったころ ➔

📖 あらすじ・概要

科学や合理主義の物差しでは測れない超常現象や未解明の事象を通じて、人間の知られざる本質を照射する異色の短編集。代替医療、エスパー、進化論の盲点といった奇妙なモチーフの背後で、日常と地続きの歪んだ現実が浮かび上がる。独自の着眼点から人間の業やユーモアをあぶり出し、常識の枠組みを静かに揺さぶる全六篇の物語が展開される。

💡 おすすめポイント・見どころ

科学の光が届かない場所で、人間の不条理や愛おしさがどのように発露するのかを描き出す手腕は圧巻の一言。SFというジャンルの枠組みを軽やかに飛び越え、日常の足元がグラリと揺らぐような心地よい悪寒を運んできます。読後、世界を眺める視点が確実に変わる、知的興奮に満ちた短編の数々です。

第19位 44 点
📖 作品詳細 ➔

ガラパゴス ➔

📖 あらすじ・概要

都内の団地で起きた身元不明者の変死体。自殺として処理されかけた事件の裏に、冷徹な殺人者の影を見た警視庁の刑事・田川信一は独自の捜査を開始する。遺留品を手がかりに被害者の足取りを追うと、地方出身の優秀な若者が非正規労働の歯車として使い捨てられる過酷な現実が浮き彫りになる。大企業の論理と人間の尊厳が衝突する、現代社会の歪みを突いた骨太の社会派ミステリ。

💡 おすすめポイント・見どころ

綺麗ごとだけでは回らない経済システムの裏側で、無惨に踏みにじられる個人の人生を直視させる驚愕の社会派ミステリ。経済成長の陰で静かに進行する構造的な矛盾に鋭くメスを入れ、ページをめくる手を止めさせない圧倒的な臨場感を生み出しています。現代日本が抱える闇の深さに震えつつ、正義のあり方を深く考えさせられる意欲作です。

第20位 42 点
📖 作品詳細 ➔

図書館の殺人 ➔

📖 あらすじ・概要

期末試験前の静けさに包まれるはずの高校図書館で、大学生の不審な他殺体が発見される。奇妙な凶器と、被害者が遺した不可解な二つのダイイングメッセージ。警察の要請で呼び出された風変わりな天才・裏染天馬は、わずかな手がかりから事件の構造を解体していく。論理の糸を緻密に手繰り寄せ、閉ざされた空間で繰り広げられる鮮やかな知的闘技場。

💡 おすすめポイント・見どころ

王道の本格ミステリが持つ悦楽のすべてが、この一冊のなかに贅沢に凝縮されています。二つのダイイングメッセージという極上の謎を前に、論理の力だけで真相へと肉薄していく過程の気持ちよさは特筆モノ。細部まで張り巡らされた伏線がカチリと噛み合う瞬間のカタルシスを、ぜひ存分に味わってください。

第20位 42 点
📖 作品詳細 ➔

猫には推理がよく似合う ➔

📖 あらすじ・概要

弁護士事務所で働く花織は、おしゃべり好きな愛猫のスコティと日夜さまざまな事件の仮説を立てて遊んでいた。ある日、事務所の金庫にある貴重品を巡り、スコティの提案から架空の殺人事件の推理ゲームに興じる二者。しかし、その戯れが現実の惨劇へと発展し、怪しい依頼人たちが全員容疑者として浮かび上がる。巧妙に仕組まれた罠と、猫の鋭い洞察力が事件の真相を暴き出す本格謎解き劇。

💡 おすすめポイント・見どころ

気宇壮大な本格ミステリの仕掛けを、愛らしい猫との軽妙なやり取りのなかにスマートに溶かし込んだ極上のエンターテインメント。次々と繰り出される多重推理のトリックに、ページをめくる手が止まらなくなります。本格ミステリファンを唸らせる精緻なプロットと、知的で軽やかなユーモアの絶妙な調和が光る名作です。

第22位 41 点
📖 作品詳細 ➔

松谷警部と向島の血 ➔

📖 あらすじ・概要

両国国技館のほど近くで起きた力士の連続殺人事件。現場には「相撲道に悖る」という謎のメッセージが残されていた。閉ざされた相撲界という特殊な人間関係のなかで、全員にアリバイがある難攻不落の状況証拠。定年を間近に控えた松谷警部と白石巡査部長は、限られた時間の中で真相の解明に奔走する。伝統と因習に満ちた世界を舞台に、熟練の推理が光るシリーズ完結編。

💡 おすすめポイント・見どころ

伝統ある相撲界の閉ざされた構造を舞台に、緻密なアリバイ崩しと人間ドラマが見事に融合した重厚な警察小説です。定年を控えたベテラン警部が最後に直面する難事件というシチュエーションが、物語全体に味わい深い哀愁と格調高さを添えています。最後の最後まで息を抜かせない、シリーズの有終の美を飾るにふさわしい傑作です。

第23位 37 点
📖 作品詳細 ➔

分かれ道ノストラダムス ➔

📖 あらすじ・概要

二年前の親友の死に深い後悔を抱える高校生のあさぎは、遺された日記を手がかりに、彼の死を回避できた可能性の検証を試みる。クラスメイトの八女を伴い、生前の足取りをたどる二人の背後に不気味な宗教団体の影が忍び寄る。終末思想に染まった信者たちの連続不審死と、あさぎたちの個人的な追跡が予想外の接点を見せる時、歪んだ世界のなかで重大な選択の時が訪れる。

💡 おすすめポイント・見どころ

多感な青春の焦燥感と、社会の片隅でうごめく不穏な終末論が見事に交錯するスリリングな物語です。過去の小さな選択を悔やむ主人公たちの痛切な思いが、予測不能なサスペンスのなかにリアリティを与えています。人生の岐路に立つ危うい美しさを鮮やかに切り取った、心を揺さぶる青春ミステリの佳作です。

第24位 36 点
📖 作品詳細 ➔

アンデッドガール・マーダーファルス 1 ➔

📖 あらすじ・概要

十九世紀末のヨーロッパ。異形が蔓延る闇の中で、人間と共生する吸血鬼の尊い命が惨殺によって奪われる。事件の解決を依頼されたのは、首だけの体を持つ美貌の探偵・輪堂鴉夜と、半人半鬼の相棒・真打津軽、そして無口なメイドの三者。怪物たちの特殊な生態と残された微細な手がかりをもとに、常識を覆す論理的な推理が展開される。失われた身体を取り戻す旅の途上で、彼らが直面する悪夢のような事件の真相。

💡 おすすめポイント・見どころ

古典怪奇小説のアイコンたちが贅沢に顔を揃え、絢爛豪華なミステリバトルを繰り広げる唯一無二のエンターテインメント。首だけの美少女探偵という破天荒な設定が生み出すブラックなユーモアと、本格ミステリ顔負けの緻密な論理構築が奇跡的なバランスで調和しています。圧倒的な世界観と痛快な謎解きに心酔すること間違いなしです。

第25位 34 点
📖 作品詳細 ➔

遠い唇 ➔

📖 あらすじ・概要

日常のなかに潜むささやかな違和感や、人の心の機微を優しくすくい上げる七篇の謎解き短編集。懐かしい記憶を呼び覚ます葉書の暗号から、歴史的名作の風変わりな宇宙人による解釈、愛しい人の秘密の行動まで、事件の規模は小さくとも謎の本質は深い。日常の風景がふと違って見える瞬間を鮮やかに切り取り、人生の隠された意味をそっと教ええてくれる極上の物語集。

💡 おすすめポイント・見どころ

大きな事件が起きなくとも、人の心の奥底にある秘密や切なさを解き明かすことの尊さを教えてくれる至高の短編ミステリ。巨匠ならではの静謐で美しい筆致が、日常のひとコマひとコマに忘れがたい光を灯していきます。乾いた日常に潤いを与え、読後に温かな余韻が長く胸に残る珠玉の一冊です。

第26位 33 点
📖 作品詳細 ➔

屋上の道化たち ➔

📖 あらすじ・概要

自殺の意志が皆無であるはずの男女が、銀行ビルの屋上に足を踏み入れた途端に次々と身を投げて死亡する不可解な怪死事件が連続する。現場に残された「屋上の呪い」と呼ばれる不穏な噂と、常軌を逸した連続墜落死の背後に潜む合理的なトリックの存在。警視庁すらも翻弄されるこの異常な事件の真相を暴くため、天才脳科学者・御手洗潔が重い腰を上げる。読者への挑戦状をも内包し、本格ミステリーの極限に挑んだシリーズ50作目となる記念碑的長編巨編。

💡 おすすめポイント・見どころ

長年ミステリー界を牽引し続ける名探偵が、圧倒的な知性で「呪い」という非科学的な怪異を鮮やかに解体していくプロセスに心酔します。シリーズ節目の50作目という記念すべき作品でありながら、著者の筆力は衰えるどころか、むしろ新たな謎の深化を見せつけています。中盤に堂々と提示される「読者への挑戦」は、すべての論理的ピースが揃った瞬間に脳内がしびれるような快感を約束してくれるため、すべての本格ミステリー愛好家に捧げたい至高の挑戦状です。

第27位 31 点
📖 作品詳細 ➔

クララ殺し ➔

📖 あらすじ・概要

大学院生の井森建は、奇妙な夢の中でビルという名の蜥蜴に変身し、アリスが迷い込むような不可思議な世界をさまよう日々を送っていた。現実と錯覚しそうな鮮明な悪夢を見続ける中、ある朝のキャンパス前で彼は「クララ」と名乗る車椅子の美少女と運命的な出会いを果たす。彼女は自身の命が何者かに脅かされていると助けを求めてきた。夢の世界のルールが現実の殺人ゲームへと容赦なく侵食していく中、二つの世界が交錯する先に待ち受ける戦慄の結末とは。

💡 おすすめポイント・見どころ

名作童話の世界観を底流に置きながら、容赦ないバイオレンスと冷徹な論理が支配する残酷な現実へと読者を引きずり込む手腕に圧倒されます。夢と現実が幾重にもリンクしていく構造そのものが巧妙な罠となっており、物語のピントが合う瞬間の背筋が凍るような感覚は一度味わうと忘れられません。奇抜なアイデアと本格ミステリーの骨格が極限のバランスで融合した、ホラー・サスペンスの旗手による極上の悪夢をぜひその身で体験してください。

第27位 31 点
📖 作品詳細 ➔

去就: 隠蔽捜査6 ➔

📖 あらすじ・概要

平穏とは程遠い大森署管内において、女性の連続連れ去り事件から端を発した殺人事件が発生する。執拗なストーカーの犯行という見立てで捜査が本格化する最中、警視庁から送り込まれた新任の上役と署長・竜崎の間に険しい対立が生まれる。さらに、公私の境界線が揺らぐ家庭内でも愛娘を狙ったストーカー騒動が勃発し、公私双方で予想不能な事態が同時多発的に牙をむく。組織の論理と個人の信念の間で、孤高の警察官僚がいかなる決断を下すのかが問われる。

💡 おすすめポイント・見どころ

組織のしがらみに一切迎合せず、己の正義と職務を淡々と貫き通す異色の警察小説主人公・竜崎伸也の生き様に全ページから目が離せません。一歩間違えれば家庭もキャリアも崩壊しかねない極限のプレッシャーの中、微動だにしないそのクールな佇まいは、大人の読者層の知的好奇心を刺激してやまない圧倒的な魅力に満ちています。公私のトラブルが交錯するスリリングなプロットを通じて、組織人としての矜持を鋭く問いかけるシリーズ最高峰の緊迫感をご堪能ください。

第29位 30 点
📖 作品詳細 ➔

わたしの隣の王国 ➔

📖 あらすじ・概要

高校を卒業したばかりの空手少女・杏那は、研修医の恋人である優と共に日本有数の広大なテーマパークを訪れ、楽しい休日を満喫していた。しかし、ほんのわずかな隙に優が忽然と姿を消し、周囲の誰もがその存在すら忘れたかのような奇妙な状況に直面する。二つの完璧な密室状態での人間消失、複雑怪奇な暗号と魔法のトリック、そして消去法で組み立てられたねじれた論理の迷宮。夢の国というファンタジーの舞台で仕掛けられた、あまりにも残酷で鮮やかな挑戦状の正体とは。

💡 おすすめポイント・見どころ

「目の前にいるのに、誰もその存在を認識できない」という悪夢のようなシチュエーションから紡ぎ出される論理のパズルが、あまりにも美しく強烈です。ポップで華やかなテーマパークという舞台装置が、逆に密室の閉塞感とトリックの異質さを際立たせるという鮮やかなコントラストに舌を巻かされます。ロマンチックな表題の裏に隠された冷徹なまでのロジックの積み重ねは、すべての謎解きファンを極上の知的興奮の渦へと巻き込むこと間違いありません。

第29位 30 点
📖 作品詳細 ➔

金田一耕助、パノラマ島へ行く ➔

📖 あらすじ・概要

三重県志摩郡の伊勢湾南端に浮かぶ、美しさと異様さが同居する孤島「パノラマ島」。同級生からの誘いに乗ってこの閉ざされた地に足を踏み入れた名探偵・金田一耕助を待ち受けていたのは、風光明媚な自然の中に不気味にそびえ立つ廃墟のような建造物群だった。島内の奇妙なコミュニティと退廃的な空気が漂う空間で、やがて凄惨な殺人事件の幕が切って落とされる。密室とも言える孤島という舞台で、名探偵はいかにして人間の業と狂気が絡み合う難事件の真相を抉り出すのか。

💡 おすすめポイント・見どころ

日本ミステリー界の至宝である名探偵が、江戸川乱歩的な耽美と狂気が支配する異形の島に降り立つという、古からのミステリーファン垂涎の奇跡的クロスオーバーです。芦辺拓氏の圧倒的な構築力により、クラシックな探偵像と退廃的な美学が見事に調和し、現代の読者をも唸らせる濃密な謎解き空間が創り上げられています。閉ざされた島で繰り広げられる人間ドラマと、一筋縄ではいかない鮮やかな真相究明のプロセスに、ページをめくる手が止まらなくなります。

第29位 30 点
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雨の日も神様と相撲を ➔

📖 あらすじ・概要

幼少期から相撲一筋の人生を送ってきた少年は、ある田舎町への転校を機に、カエルの神様が手厚く崇められている奇妙な村の秘密に直面する。村を治める一族の少女と人語を話すカエルに出会い、その圧倒的な知見を見込まれた彼は、外来種のカエルとの異種格闘技戦とも言うべき相撲勝負の参謀を引き受けることになる。しかし、その裏で隣村では不穏な死体が発見され、のどかな村を舞台にした神事と殺人事件が複雑に絡み合い、予想もしない危険な方向へと転がり始める。

💡 おすすめポイント・見どころ

「カエルの神様と相撲をとる」という一見するとシュールでコミカルな導入でありながら、本格ミステリーとしての重厚な謎解きが完璧に同居している手腕に驚嘆させられます。個性豊かすぎるキャラクターたちが繰り出すユーモアあふれる会話劇の裏で、着実に積み上げられていく論理的な推理と事件の真相は、エンターテインメント小説の醍醐味を極限まで体現しています。笑えて、驚けて、最後には爽やかな感動が残る極上の青春ミステリーの傑作です。

第32位 29 点
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亡者たちの切り札 ➔

📖 あらすじ・概要

バブル経済の崩壊によって巨額の負債を抱え込み、荒涼とした気分で67年型マスタングを走らせていた自動車修理工の氏家豊。彼は夜の街で何者かに拉致された旧友・五十嵐の娘を命がけで救出するが、その直後から自らも底知れぬ陰謀の渦中へと引きずり込まれる。不正融資を強要された末に失踪した五十嵐、そして愛車の持ち主である赤坂の料亭女将にも次々と魔の手が及び、事態は政治の闇と結びついた巨大な犯罪へと発展していく。時代の光と影を背負った男たちの孤独な戦いを描くハードボイルド巨編。

💡 おすすめポイント・見どころ

バブル崩壊直後の殺伐とした空気感を背景に、疾走するアメ車とともに闇社会の奥深くへと突入していく男たちの姿が圧倒的な筆力で描かれています。単なる犯罪サスペンスにとどまらず、時代のうねりに翻弄されながらも己の矜持だけは手放さない人間たちの泥臭い生き様が、ハードボイルド小説としての深い余韻を残します。ページを開いた瞬間から映画的なスピード感で展開される圧倒的な臨場感と、容赦なく突きつけられる人間の業の深さに心から酔いしれてください。

第33位 28 点
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慈雨 ➔

📖 あらすじ・概要

かつて凄惨な幼女殺害事件の捜査に心身をすり減らし、現在は退職の身となっている元刑事・神場。その彼の脳裏に消えない十字架として刻まれ続けている過去の記憶を呼び起こすかのように、16年前の事件の手口と酷似した新たな幼女殺害事件が勃発する。強い自責の念と消せない罪悪感に突き動かされるように、神場は組織を離れた一個人の立場でありながら、危険を顧みず現在の事件の真相を追い始める。元警察官の魂の彷徨と、真実の果てにある救済を描き出す人間ドラマ。

💡 おすすめポイント・見どころ

警察組織を離れた老刑事の背中を通して、「罪と罰」「赦しとは何か」という重厚なテーマを静謐かつ圧倒的な筆致で描き切った社会派ミステリーの傑作です。決してスリリングなアクションに頼ることなく、人間の内面深くに潜む痛切な感情や贖罪のプロセスを丁寧にすくい上げる視点は、多くの読者の胸を強く打ちます。事件の真相が明らかになっていく過程で主人公の魂が辿り着く結末は、読み終えた後も長く心に深く残り続けるほどの強い衝撃と感動を与えてくれます。

第34位 26 点
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Dの殺人事件、まことに恐ろしきは ➔

📖 あらすじ・概要

渋谷の喧騒漂う道玄坂で、カメラマンである「私」は一人の生意気でありながら恐るべき知性を持つ少年・聖也と出会い、奇妙な交流を深めていく。ある日、ダイニングバーから向かいの薬局の異変に気づいた二人が踏み込んだ現場で目撃したのは、カーペットの上に冷たく横たわる上半身裸の女性の姿だった。事件の真相を探り始めた「私」と聖也だったが、調査が進むにつれて取り返しのつかないある違和感に気づいてしまい、二度と元の日常には戻れなくなる。

💡 おすすめポイント・見どころ

日本の探偵小説の祖が遺した数々の不朽の名作群を、現代のスマートフォンや最新テクノロジーという鋭利なメスで鮮やかに解体・再構築した異色のアンソロジーです。原典の持つ怪奇性とエロスを損なうことなく、現代的なサプライズ・ミステリーとして昇華させる著者の圧倒的な構成力と企みに、ページをめくる手が止まらなくなります。奇才が仕掛けた予測不能な幾重もの罠と、読者の常識を根底から覆す鮮やかな結末の連続に、知的興奮のピークが無限に更新されていきます。

第34位 26 点
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倒叙の四季 破られたトリック ➔

📖 あらすじ・概要

懲戒免職処分を下された元警視庁の敏腕刑事が遺した、完全犯罪の手口を網羅した禁断の裏ファイル「完全犯罪完全指南」。その邪悪な教本を手に入れた4人の殺人者たちは、「春は縊殺」「夏は溺殺」「秋は刺殺」「冬は氷密室で中毒殺」という四季それぞれの季節に合わせた精緻な完全犯罪を目論む。心証はどれほど黒くとも、決定的な物証さえ与えなければ法網を逃れられると確信し、冷徹な偽装工作を実行する犯人たち。警視庁捜査一課の海埜刑事が、彼らの残したわずかなほころびをいかにして暴いていくのかを描く倒叙ミステリーの意欲作。

💡 おすすめポイント・見どころ

犯行の一部始終をあらかじめ読者に提示しながら、名刑事がいかにして犯人の築き上げた鉄壁のアリバイと偽装を切り崩していくかを描く、本格ミステリーの王道・倒叙形式の醍醐味を極限まで堪能できます。犯人たちが練りに練った狡猾なトリックと、それに立ち向かう捜査陣の知恵比べのプロセスは、ミステリーファンの脳髄を激しく刺激するスリリングな知性戦です。読者自身も現場に残された微細な「物証」の謎に挑みながら、犯人たちの犯したたった一つの致命的なミスを見つけ出す快感を存分に味わってください。

第34位 26 点
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横溝正史探偵小説選 5 ➔

📖 あらすじ・概要

死体のない寄宿舎内の殺人を描くデビュー作「恐ろしき四月馬鹿」をはじめ、耽美や本格推理の傑作が連なる。河を流れてきた蝋人形が悲劇の幕開けを告げる「猫と蝋人形」や、名作『犬神家の一族』の原点とされる「車井戸は何故軋る」など、著者の多岐にわたる足跡を刻んだベスト短編集である。

💡 おすすめポイント・見どころ

日本のミステリ界が誇る巨匠の初期衝動と技巧の変遷が、この一冊に凝縮されています。名探偵の活躍から人間の狂気を抉る暗黒の心理劇まで、ジャンルの枠を軽々と飛び越える筆力には圧倒されるほかありません。現在では入手困難な初出誌をもとに編まれた、すべてのミステリファン必携の記念碑的アンソロジーです。

第37位 25 点
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サブマリン ➔

📖 あらすじ・概要

無鉄砲で一風変わった家裁調査官・陣内が、新たな少年たちの問題に独自のやり方で介入していく。頑張っても結果が変わらないと冷めた空気をまといながらも、なぜか周囲の人間を巻き込み、予測不能なうねりを生み出していく長編小説である。

💡 おすすめポイント・見どころ

理屈を超えた独自の哲学を持つ愛すべきトラブルメーカー・陣内が、ふたたび小説の世界へ帰ってきました。淡々とした日常の裏側に潜む痛烈なユーモアと、ふとした瞬間に胸を打つ人間賛歌のバランスは絶妙です。正解のない迷える青春の只中で、彼らが繰り広げる不器用なやり取りの数々に心から魅了されます。

第37位 25 点
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夜の淵をひと廻り ➔

📖 あらすじ・概要

住民洗脳騒動や連鎖する失踪事件など、不穏な空気が漂う街の交番。そこに勤務する“街の生き字引”であり、全住民の動向を把握する特異なシド巡査のもとへ、次々と奇っ怪な事件が持ち込まれる。

💡 おすすめポイント・見どころ

街の隅々まで目を光らせる奇妙な巡査を軸に、日常の裏側に潜む狂気と温もりが巧みに交錯していきます。一筋縄ではいかない人間模様の描写は強烈な引力を放ち、読む者をただの犯罪小説では終わらない深い人間ドラマの深淵へと引きずり込みます。一風変わった警察小説を求める方にこそ手にとってほしい異色作です。

第39位 24 点
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新任巡査 ➔

📖 あらすじ・概要

凡庸だが心優しい頼音と、特殊な能力を備えた男勝りの希というふたりの新任巡査。駅の東西に位置する交番へ配属された彼らは、毎秒成長し続けなければ生き残れない過酷な最前線へと放り出される。

💡 おすすめポイント・見どころ

元警察キャリアという著者だからこそ描き得た、圧倒的なリアリティとディテイルの積み重ねに唸らされます。綺麗事だけでは決して務まらない過酷な現場で、未熟な若者たちが泥臭くもがき成長していく姿は異様なほどの熱量を放ちます。既存の警察小説の枠を完全に打ち破る、新時代の扉を開いた衝撃作です。

第39位 24 点
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明日の食卓 ➔

📖 あらすじ・概要

静岡、神奈川、大阪でそれぞれ息子を育てる3人の母親たち。一見すると幸せな家庭を築いていたはずの彼女たちの生活が、些細なほころびをきっかけに、無意識の苛立ちと怒りによって崩壊へと向かっていく。

💡 おすすめポイント・見どころ

誰もが隣り合わせにある日常の狂気と家庭の闇を、息をのむほどのリアリティで突きつけてくる問題作です。愛する我が子に向けられてしまう負の感情の描写はあまりにも鋭利で、ページをめくる手が止まらなくなります。現代の家族のあり方に深い問いを投げかける、魂を揺さぶられる人間ドラマです。

第41位 23 点
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クロコダイル路地1 ➔

📖 あらすじ・概要

1789年のバスティーユ監獄襲撃を発端に、激動のうねりに飲み込まれていく人々。帯剣貴族の嫡男、大ブルジョアの青年、そして日雇いの平民たちが、フランス全土を揺るがす革命の中でそれぞれの運命を変転させていく。

💡 おすすめポイント・見どころ

フランス革命前夜の緊迫した空気を背景に、容赦なく交錯する人間の業が壮大なスケールで描き出されています。幾重にも張り巡らされた巧妙な伏線と、歴史の荒波に抗う者たちのドラマが融合した世界観は圧巻の一言です。小説の女王が仕掛けた緻密な罠に、心の底から酔いしれることができます。

第41位 23 点
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籠の鸚鵡 ➔

📖 あらすじ・概要

バブル景気に沸く1980年代半ばの和歌山を舞台に、ヤクザ、ホステス、不動産業者らの欲望と計算が複雑に絡み合う。情事と裏切りの果てに二つの巧妙な殺人が実行され、彼らは取り返しのつかない地点へと追い詰められていく。

💡 おすすめポイント・見どころ

バブル期の狂騒が生み出した人間のむき出しの欲望と冷徹な殺意が、圧倒的な筆力で浮き彫りにされます。怒濤のように押し寄せるスリルと、静謐な思索が高度に交錯するプロットの妙にはただただ脱帽するばかりです。人間の暗部に真っ向から切り込んだ、著者新たな到達点を示す重厚なクライム・ノヴェルです。

第43位 22 点
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ブロッケンの悪魔 南アルプス山岳救助隊K-9 ➔

📖 あらすじ・概要

アルコール依存症と闘いながら八ヶ岳で山岳ガイドと遭難遺体捜索を営む功刀丈治。彼はある失踪した青年の捜索依頼を受けるが、その背後で因縁ある暴力団の影がちらつき、やがて意外な事実へと直面する。

💡 おすすめポイント・見どころ

大自然の美しさと厳しさをリアルに描きつつ、そこに人間の業が絡み合う極上の山岳ミステリーです。過去のトラウマを抱えた主人公が不屈の意志で真実へと迫る姿は、サスペンスとしての読み応えを何倍にも高めています。アウトドアや登山を愛する人はもちろん、骨太な人間ドラマを求めるミステリファンにも強くおすすめしたい一冊です。

第43位 22 点
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蜃気楼の犬 ➔

📖 あらすじ・概要

身重の妻を愛するあまり、彼女から幸せを奪う可能性をすべて排除しようとするベテラン刑事・番場。ルーキーとともに難事件の捜査に奔走する中で、彼は自らが信じる正義の輪郭を見失っていく。

💡 おすすめポイント・見どころ

「守るためなら何でもする」という歪んだ狂気と正義の境界線を描き出す、新世代の警察小説の傑作です。圧倒的な熱量を持つ主人公の姿は危うさを孕みながらも、読者の心を強烈に捉えて離しません。連作短編の形式を取りながら、全編を通じてうねるようなサスペンスの構造に息をのむこと間違いなしです。

第43位 22 点
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香住春吾探偵小説選 1 ➔

📖 あらすじ・概要

関西探偵作家クラブの重鎮にして、ユーモア・ミステリの系譜をしっかりと受け継ぐ作家の初作品集。名探偵・片目珍作君が鮮やかな手際で事件の真相へと乗り出し、独特のユーモアと推理で読者を魅了する。

💡 おすすめポイント・見どころ

古き良き時代の空気をまといながらも、現代のミステリファンを唸らせるユーモアのセンスが光る珠玉の短編集です。個性的な名探偵が繰り出す軽妙な推理劇は、読んでいるだけで自然と顔がほころびます。日本の探偵小説史を語る上で欠かせない、知られざる名手の世界へ足を踏み入れる絶好の機会です。

第46位 21 点
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ガンルージュ ➔

📖 あらすじ・概要

韓国の最精鋭特殊部隊が日本で要人拉致作戦を実行し、中学生の祐太朗が人質として囚われる。日本政府と警察が事件の隠蔽を図る中、かつて夫を殺害された元公安の母親・秋来律子は、ワケありの担任教師・渋矢美晴とバディを組む。息子の奪還を誓う元公安と狂気的な工作員キル・ホグンによる、死闘の幕が上がる。

💡 おすすめポイント・見どころ

元公安のシングルマザーと訳あり教師が手を組み、韓国最凶の特殊部隊に挑むという設定の時点で胸が高鳴る。容赦のないバイオレンス描写と疾走感あふれる展開は、極上のエンターテインメントの極み。息詰まる心理戦とアクションのつるべ打ちに、ページをめくる手が止まらなくなる。

第46位 21 点
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人ノ町 ➔

📖 あらすじ・概要

かつて世界が存在した痕跡として、各地に独自の意匠を持つ町が点在する。とある旅人の女は、己の意志とは無関係に遺された町々を巡り歩く。旅の先々で遭遇する数々の不思議な出来事。それらが次第に一つの大きな像を結び、この世界の隠された真実が浮かび上がっていく。

💡 おすすめポイント・見どころ

失われた世界の理を求めて異形の町を巡る、孤独で詩的な旅の記録。奇妙な現象の背後にある世界の構造が徐々に明かされていく過程は、類まれなる知的興奮をもたらす。静謐でありながら奇抜なアイデアに満ちた、独特の叙情世界を存分に味わってほしい。

第48位 20 点
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モナドの領域 ➔

📖 あらすじ・概要

河川敷で発見された切断された片腕が、凄惨なバラバラ殺人事件の端緒を開く。美貌の警部による捜査、不穏な影を落とすベーカリー、そして老教授の奇矯な振る舞いが錯綜していく。予想を完全に裏切る混乱の果てに、突如として超越的な存在GODが顕現し、人類と世界の深遠な秘密を語り出す。

💡 おすすめポイント・見どころ

「これが最後の長篇」という宣言に相応しい、小説家の技巧と哲学的思索のすべてが注ぎ込まれた圧倒的怪作。日常のすぐ隣に潜む狂気から宇宙の真理へと一足跳びに飛躍する構成は、読者の現実感覚を根底から揺さぶる。円熟の巨匠が到達した比類なき境地を目の当たりにせよ。

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