化け者手本
ときは文政の江戸。心優しき鳥屋の藤九郎と元役者の魚之助は、中村座で起きた奇怪な連続殺人事件に直面する。客席に転がっていたのは、首の骨を折られ両耳から棒が突き出た死体。「仮名手本忠臣蔵」の演目に合わせたこの殺しは、一体何の見立てなのか。真相究明に乗り出したふたりの前に、芸に恋に、義理と忠義に生きる人々の熱いドラマが立ちはだかり、やがて予想もしない真実へと引きずり込まれていく歴史ミステリ。
💡 おすすめポイント・見どころ
江戸の華やかな空気感と、残酷な見立て殺人のミステリが見事に融合した意欲作!粋な裏稼業のコンビが魅せる軽妙なやり取りに引き込まれつつ、その裏に潜む人間模様の機微に胸が締め付けられます。一筋縄ではいかない事件の裏に隠された、それぞれの「生き様」の重みが心に刺さる、江戸情緒あふれる極上のエンターテインメント小説です。