『このミステリーがすごい!』非公式サイト 【このミスまとめ】

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『このミステリーがすごい!2018年版』国内編 DOMESTIC RANKING

2018年版ガイドブック

年度総評・見どころ

デビュー作でいきなり第1位に輝いた今村昌弘の『屍人荘の殺人』!斬新な設定でミステリ界に衝撃を与え、新時代の幕開けを告げました。第2位には人気作家・伊坂幸太郎の『ホワイトラビット』がランクイン。軽妙な語り口と予測不能な展開が読者を魅了します。第3位には、骨太な世界観が光る月村了衛の『機龍警察 狼眼殺手』が選出されました。シリーズの新たな傑作です。

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屍人荘の殺人
第 1 位 232

屍人荘の殺人

大学のミステリ愛好会に所属する名探偵とその助手は、もう一人の名探偵と共に曰くつきの夏合宿へ参加するためペンションを訪れます。しかし初日の夜、想像を絶する事態に見舞われて荘内への籠城を余儀なくされ、それを発端として連続殺人の幕が上がります。たった一時間半で世界が一変する中、前代未聞のクローズド・サークルで生存をかけた謎解きが繰り広げられます。数々のミステリランキングで1位に輝いた話題作です。
💡 おすすめポイント・見どころ 極限のパニック状況と本格ミステリの論理が見事に融合している点が最大の魅力です。一刻を争う恐怖の籠城戦でありながら、張り巡らされた伏線や鮮やかな推理の精度が一切揺るがない構成は見事です。既存の枠組みを軽々と飛び越える大胆な特殊設定により、これまでにない読書体験を満喫できます。
ホワイトラビット
第 2 位 182

ホワイトラビット

新妻を誘拐されて追いつめられた兎田孝則は、家族を守るために銃を手に取ります。一方、眼前に銃を突き付けられて自由を奪われた母子にもそれぞれ秘密があり、事態は次々と連鎖していきます。夜空のオリオン座の神秘が語られる中、警察の特殊部隊SITも突入に向けて動き出します。軽やかに、そして鮮やかに加速していく白兎事件の行方には、誰も知らない衝撃の結末が待ち受けています。
💡 おすすめポイント・見どころ 登場人物たちの巧みなセリフ回しと、予測不能な展開で読者を翻弄する筆力が光ります。一見無関係に見える点と点が鮮やかに繋がっていくスピード感は、まさに極上のエンターテインメントです。ただのサスペンスに留まらない、爽快感と温かさを残す独自のストーリーテリングがたまりません。
機龍警察 狼眼殺手
第 3 位 169

機龍警察 狼眼殺手

巨大インフラプロジェクトの関係者数名が何者かに射殺される事件が発生します。被害者の一人が特捜部の追うグループの要人であり疑獄事件の疑いもあることから、捜査一課、捜査二課、そして特捜部による合同捜査が始動します。しかし、警察内部の激しい軋轢をあざ笑うかのように、事件は想像を絶するまったく別の様相を見せ始めます。
💡 おすすめポイント・見どころ 重厚な世界観の中で繰り広げられる、リアリティを追求した警察ドラマの深みが際立ちます。組織間の権力闘争や複雑な人間関係が緻密に描かれ、物語に圧倒的な緊張感をもたらしています。一筋縄ではいかない事件の真相を追い求める過程で、登場人物たちの生き様が鮮烈に浮かび上がります。
ミステリークロック
第 4 位 118

ミステリークロック

人里離れた山荘での晩餐会で、招待客たちが超高級時計を巡る奇妙なゲームに興じている最中、女性作家が書斎で変死を遂げます。それをきっかけに、命を賭けた極限の推理ゲームの幕が上がります。巻き込まれた防犯コンサルタントの本職は泥棒という一癖ある榎本と弁護士の純子が、時間の壁に守られた完全密室の謎に挑みます。
💡 おすすめポイント・見どころ 完全密室という王道の謎に対し、泥棒という異色のバックグラウンドを持つ主人公が挑むアプローチが新鮮です。論理の積み重ねによって時間の壁を破っていく謎解きのプロセスが非常にスリリングに描かれています。知的興奮をくすぐる鮮やかなトリックの数々に夢中になります。
いくさの底
第 5 位 84

いくさの底

戦闘終結後のビルマの村に急ごしらえの警備隊として配属された賀川少尉一隊ですが、駐屯当日の夜に何者かの手で少尉が容赦なく一刀のもとに斬殺されます。敵性住民の存在が疑われるものの、その死は徹底して組織に伏せられ、幾重にも隠蔽されていきます。善悪の境界線を軽々と飛び越えていく殺人者の告白が紡がれる、異色の戦争ミステリです。
💡 おすすめポイント・見どころ 極限の戦場という特殊な環境下で人間の心理の闇を抉り出す、鋭い描写力が光ります。通常の謎解きとは一線を画し、隠蔽工作の裏にある狂気と人間の業を冷徹に描き出す手腕が圧倒的です。読者に深い余韻を残す、重厚なミステリとしての完成度が非常に高いです。
狩人の悪夢
第 6 位 76

狩人の悪夢

人気ホラー小説家に誘われて、臨床犯罪学者・火村英生とミステリ作家のアリスは京都・亀岡にある彼の家を訪れます。そこには眠ると必ず悪夢を見るといういわくつきの部屋が存在していました。アリスがその部屋に泊まった翌日、アシスタントが住んでいた別の家で右手首のない女性の死体が発見され、不穏な事件の歯車が回り始めます。
💡 おすすめポイント・見どころ ホラー的な怪異の気配と、論理的な犯罪捜査が見事に融合している点が素晴らしです。名コンビならではの軽妙な掛け合いが、おどろおどろしい事件の雰囲気を絶妙なバランスで中和しています。緻密に張り巡らされた伏線が回収され、真相が明らかになる瞬間のカタルシスが絶品です。
遠縁の女
第 7 位 70

遠縁の女

血の繋がらない三人が身を寄せ合う慎ましい武家一家では、生活のために後妻の縫が機織りを再開します。新田開発を持ちかけられた当主が実地検分を訪れた林で美しい女と出会う一方、浮世離れした剣の修行に出ていた武家が五年ぶりに帰国し、女の仕掛ける謎に向き合うことになります。寛政の世を舞台にした、味わい深い傑作武家小説集です。
💡 おすすめポイント・見どころ 静謐な空気感の中で人間の内面や絆を丁寧にすくい上げる筆致が際立っています。それぞれの短編が異なるテーマを持ちながらも、時代を生きる人々の温度感をリアルに伝えてくれます。派手な事件がなくとも、言葉の端々からにじみ出るドラマに深く引き込まれます。
かがみの孤城
第 8 位 69

かがみの孤城

学校での居場所を失い部屋に引きこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めます。その輝く鏡をくぐり抜けた先には、城のような不思議な建物が広がっていました。そこには、こころと似た境遇を持つ七人の子供たちが集められており、なぜ彼らが集まったのかという謎が少しずつ紐解かれていきます。すべてが明らかになった時、大きな感動が押し寄せます。
💡 おすすめポイント・見どころ 傷ついた子供たちが少しずつ心を通わせていく過程が、圧倒的な共感力をもって描かれています。ファンタジーの枠組みを利用しながら、現代の子供たちが直面する切実な悩みに真摯に向き合っている点が心を打ちます。すべての伏線がパズルのように美しく噛み合う結末の構成力には脱帽させられます。
盤上の向日葵
第 9 位 68

盤上の向日葵

実業界の寵児にして天才棋士である男は、果たして本当に冷酷な殺人犯なのでしょうか。その謎を解き明かすため、二人の刑事がいま決戦の地である天童市へと降り立ちます。将棋という深い知性の世界と、人間の業が絡み合う事件の真相を追い求める、著者渾身の本格ミステリが展開されます。
💡 おすすめポイント・見どころ 将棋の勝負と事件の捜査を並行させながら、人間の複雑な心理をあぶり出す構成が秀逸です。棋士たちの人生の光と影を丹念に追うことで、単なる謎解きを超えたドラマチックな物語へと昇華されています。重厚なミステリでありながら、読み終えた後に深い感動を味わうことができます。
開化鐵道探偵
第 10 位 64

開化鐵道探偵

明治十二年、鉄道局技手見習の小野寺乙松は局長の命を受け、元八丁堀同心の草壁賢吾のもとを訪れます。京都と大津の間で進む鉄道建設の最中、逢坂山トンネルの工事現場で不可解な事故が多発しており、その調査を依頼するためでした。さっそく現場へ向かった小野寺たちですが、最寄り駅で工事関係者の不審死が相次いで発生し、さらなる混乱が生じます。
💡 おすすめポイント・見どころ 明治という文明開化の息吹が残る時代背景と、本格ミステリの謎解きが見事にマッチしています。近代化を進める側と、新しい技術によって職を奪われる側の対立が、事件にリアルな奥行きを与えています。元同心という異色の探偵が独自の視点で真相に迫るプロセスが非常に魅力的です。
ブルーローズは眠らない
第 11 位 63

ブルーローズは眠らない

虐待から逃れた少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護されますが、屋敷内に潜む不気味な影に怯えて日々を過ごしていました。一方、〈ジェリーフィッシュ〉事件の捜査官マリアと漣は、不可能と言われた青いバラを同時期に作出したテニエル博士とクリーヴランド牧師を訪ねます。しかし両者への面談直後、バラの蔓に覆われた施錠された密室状態の温室から切断された首が発見されるのです。青いバラをめぐる驚愕の密室殺人の真相とは一体何なのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 気鋭の本格ミステリ作家が仕掛ける、圧倒的な密室トリックと緻密なプロットの融合が大きな魅力です。前作からの魅力的なキャラクターたちの活躍はもちろん、美しくも残酷な植物をモチーフにした世界観が読者を深く引き込みます。複雑に絡み合う人間ドラマと事件の真相が鮮やかに解き明かされていく過程に、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
地獄の犬たち
第 12 位 62

地獄の犬たち

東京のやくざ組織に所属する兼高昭吾は、弟分の室岡と共に沖縄でターゲットを殺害しますが、その夜に激しく嘔吐します。実は彼は、警視庁組対部に所属する潜入捜査官だったのです。組織内では後継者問題をめぐり血で血を洗う抗争が続いており、兼高の最終任務は組織のトップである十朱の殺害でした。身分が明かされた瞬間に死が迫る極限状態の中、ボディガードとして十朱に接近する兼高の運命はどうなってしまうのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 警察組織と巨大暴力団の双方から迫る絶体絶命のタイムリミットが、圧倒的なスピード感で描かれます。主人公が抱える強烈な葛藤と冷徹なアクションが幾重にも交錯し、一瞬たりとも気が抜けない緊迫感を味わえます。綺麗事だけでは済まない裏社会のリアルな生態系を抉り出すような、ハードボイルド小説の醍醐味が存分に詰まっています。
あとは野となれ大和撫子
第 13 位 57

あとは野となれ大和撫子

沙漠の小国家アラルスタンで育った日本人少女ナツキは、紛争で両親を失い国の教育機関に引き取られます。仲間と気楽な日々を過ごしていた彼女たちですが、大統領の暗殺によって情勢は一変し、反政府軍が襲来するという絶体絶命の危機に陥ります。ナツキは仲間の立ち上げた臨時政府に参加し、自分たちの居場所を守るために奮闘することになります。どんな困難も笑い飛ばして明日に進む乙女たちの青春冒険ストーリーの行方はどうなるのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 過酷な戦火の中をサバイブする少女たちの姿を、どこかユーモラスかつ軽やかに描く手腕が光ります。絶望的な状況であっても希望を失わず、知恵と勇気で立ち向かう姿に自然と応援したくなります。重くなりがちなテーマを爽快なエンターテインメントへと昇華させる著者の独特な筆致が存分に堪能できます。
タフガイ
第 14 位 55

タフガイ

1974年の東京を舞台に、私立探偵の浜崎順一郎は絡まれていた少年を助けたことから、その父親で少年院時代の友である石雄と再会を果たします。富豪の跡取りとなった石雄と旧交を温める間もなく、彼の義姉が何者かに殺害される事件が発生してしまいます。名家に隠された深い悲劇と男たちの友情が交錯する中、事件の背後に隠された真実とは一体何なのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 昭和の空気感を色濃く残す東京の街並みを背景に、男たちの不器用な生き様と哀愁がリアルに描かれます。かつての友との再会から始まる悲劇を通じて、人間の業や割り切れない感情の機微が丁寧に紡ぎ出されます。渋みのあるハードボイルドな世界観と、事件の真相に迫るミステリとしての読み応えが見事に調和しています。
鮎川哲也探偵小説選
第 15 位 54

鮎川哲也探偵小説選

戦後推理小説文壇の巨匠である鮎川哲也の、知られざる作品の数々が今よみがえります。雪の山荘を舞台にした連続殺人事件に名探偵・星影龍三が挑む未収録の中編をはじめ、ロマンチシズム漂う短編や掌編がぎっしりと集成されています。さらに、別名義で発表された絵物語も挿絵付きで完全収録されており、巨匠の多彩な才能と初期の創作の軌跡を存分に堪能できるファン待望の一冊となっています。
💡 おすすめポイント・見どころ 本格ミステリの黄金期を支えた巨匠の、これまで日の目を見なかった貴重な原稿に触れられる喜びは計り知れません。本格推理の王道をゆくロジカルな謎解きと、時代を超えて色褪せないクラシカルな雰囲気が見事に融合しています。ミステリ史における重要なピースを紐解くような、贅沢な読書体験が得られます。
帝都大捜査網
第 16 位 53

帝都大捜査網

死体が発見されるたびに刺し傷の数がひとつずつ減っていくという、奇妙な連続刺殺事件が発生します。被害者たちには交友関係が一切なく、全員が多額の借金を背負っていることだけが共通点でした。警視庁特別捜査隊が帝都全体に捜査の網を広げる中、隊長が目の当たりにした事件の異様な構図とは一体何なのでしょうか。全体像を最後まで掴ませない、油断のならない長編推理の幕が上がります。
💡 おすすめポイント・見どころ 緻密な時代考証に裏打ちされた帝都の空気感と、異様な殺人事件の組み合わせが抜群の不気味さを醸し出します。徐々に繋がりを見せる被害者たちの共通項と、予想を裏切る展開の連続に翻弄されます。歴史の裏に潜む闇を見事に描き出す、本格派の時代推理としての魅力が存分に発揮されています。
いまさら翼といわれても
第 17 位 46

いまさら翼といわれても

夏休み初日、古典部員の伊原摩耶花からの電話を受けた折木奉太郎は、合唱祭のソロパートを控えて姿を消した千反田えるの行方を追うことになります。千反田は今、どんな思いでどこにいるのか、会場に駆けつけた奉太郎が鋭い推理を開始します。千反田の知られざる苦悩が垣間見える表題作のほか、古典部メンバーの過去と未来が交差する、瑞々しくもビターな青春ミステリの全6篇が描かれます。
💡 おすすめポイント・見どころ 日常の小さな謎を解き明かす中で、登場人物たちの内面にある切なさや成長が丁寧に浮かび上がります。軽妙な会話劇の裏側に潜む人間関係の機微が、青春期のほろ苦さをリアルに伝えてくれます。事件そのもののドラマ性だけでなく、キャラクターたちの心の機微をすくい取る作者の視線の優しさに深く惹きつけられます。
マツリカ・マトリョシカ
第 18 位 44

マツリカ・マトリョシカ

学校の怪談である『顔の染み女』を調べていた柴山の耳に、別の『開かずの扉の胡蝶さん』という不気味な噂が飛び込んできます。その閉ざされた部屋で、トルソーを死体に見立てたかのような不可解な事件が発生してしまいます。クラスメイトと柴山は、二重の密室という謎に包まれた事件の真相に迫っていきますが、果たしてそこに隠された秘密とは何なのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 日常に潜む都市伝説を入口にしながら、本格的な密室トリックへと昇華させる構成力が非常に鮮やかです。軽快なテンポで進むキャラクターたちのやり取りと、論理的に謎を解き明かしていく知的興奮が絶妙に両立しています。読者の予想を軽やかに裏切る鮮やかな結末まで、一気に読み進めてしまう魅力に満ちています。
天上の葦
第 18 位 44

天上の葦

白昼の渋谷スクランブル交差点で、96歳の老人が何もない空を指さして絶命します。老人が死の直前に見ていたものを突き止めるため、興信所を営む鑓水と修司に不可解な依頼が舞い込みます。同じ日、一人の公安警察官が忽然と姿を消し、停職中の刑事・相馬が極秘裏にその捜索を命じられます。二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させるほどの巨大な犯罪が仕組まれていたのです。三人の男たちが最大の謎に挑むクライムサスペンス巨編です。
💡 おすすめポイント・見どころ 社会の構造的な闇と人間の執念を圧倒的なスケールで描き出す、骨太なサスペンスの傑作です。全く無関係に見えた点と点が鮮やかに繋がり、巨大な陰謀が姿を現していくプロセスは圧巻の一言に尽きます。それぞれの事情を抱えた登場人物たちが織りなす人間ドラマの深さと、緊迫感に満ちたストーリー展開から目が離せなくなります。
月の満ち欠け
第 18 位 44

月の満ち欠け

月のように死んで生まれ変わると語る、目の前にいる七歳の娘は、はたしていまは亡き我が子なのでしょうか。三人の男と一人の少女が織りなす、三十余年におよぶ人生の過ぎし日々が幾重にも交錯していきます。数奇なる運命に導かれた愛の軌跡は、読者を戦慄と落涙の渦へと巻き込みながら衝撃のラストへと向かっていくことになります。時空を超えてさまよえる魂の物語がたどり着く結末とは一体何なのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 人の強い思いが時空を超えて紡ぎ出す、奇跡のような物語の美しさと切なさに胸が締め付けられます。複雑に構成された時間軸が少しずつ解きほぐされ、すべてのピースがカチリと噛み合う瞬間のカタルシスは格別です。愛することの哀しさと尊さを鮮烈に描き出した、読後も長く心に残り続ける重厚な人間ドラマを味わえます。
AX アックス
第 21 位 43

AX アックス

超一流の殺し屋でありながら恐妻家でもある「兜」は、愛する家族のためにそろそろ引退したいと考えています。引退に必要な金を稼ぐべく仕事に励む日々のなか、ある日、爆弾職人を難なく始末した兜は、なぜか意外な人物から襲撃を受けてしまいます。こんな物騒な仕事を家族に隠し通す兜の運命やいかに。
💡 おすすめポイント・見どころ 最強の殺し屋と恐妻家という強烈なギャップを持つ主人公のキャラクター造形が実に魅力的です。家族に正体を隠しながら泥臭く生きる姿にハラハラしつつも、コミカルな日常描写に思わず笑みがこぼれます。伊坂作品ならではの軽妙なセリフ回しと、予測不能な展開の連続を存分に堪能できるエンターテインメント小説です。
探偵が早すぎる
第 22 位 41

探偵が早すぎる

父の遺産を巡り、一族から命を狙われ続ける女子高生の一華を救うため、使用人の橋田が雇ったのは事件が起きる前にトリックを看破して犯行を未遂に防ぐ究極の探偵でした。犯人が完全犯罪をもくろんで周到な計画を立てるものの、どこからともなく現れた名探偵によってあっさりと覆されていきます。史上最速で事件を解決へと導く新しいスタイルのミステリが幕を開けます。
💡 おすすめポイント・見どころ これからまさに実行されようとする完璧な犯罪計画を、圧倒的なスピードで次々と阻止していく逆転劇の爽快感がたまりません。周到に準備されたトリックがどのような手口で事前に暴かれていくのかというプロセス自体が非常にスリリングです。被害者が襲われる前に解決してしまうという斬新な切り口が、これまでのミステリの常識を心地よく裏切ります。
Y駅発深夜バス
第 23 位 40

Y駅発深夜バス

運行しているはずのない深夜バスに乗り込んだ男が目撃した奇妙な光景をはじめ、読者への挑戦状が付されたストレートな犯人当て、怪奇小説と謎解きを融合させた物語まで、手間暇かけて紡がれた五つの短編が収録されています。女子中学生の淡い恋を描いたエピソードや、自慢のアリバイを用意して殺人を実行したミステリ作家の涙ぐましい奮闘劇など、バラエティに富んだ謎解きの世界が広がります。
💡 おすすめポイント・見どころ 著者渾身のミステリ・ショーケースという名にふさわしく、一冊の中で多彩な謎解きの手法とアプローチを楽しむことができます。ストレートな犯人当てから怪奇的な要素を盛り込んだ難事件まで、あらゆる角度から読者の知的好奇心を刺激してくれます。短編という限られたページ数の中で鮮やかにオチが決まる手際の良さに、本格ミステリの醍醐味が凝縮されています。
沈黙法廷
第 24 位 39

沈黙法廷

独り暮らしの初老男性が絞殺された事件の捜査線上に、地味な家事代行サービスの女性が浮上します。女の周辺では複数の高齢男性による不審死が相次いで報じられ、金銭をめぐる疑惑が急速に濃厚になっていきます。逮捕された後も一貫して無実を主張していた彼女が、なぜか突然黙秘へと転じたことで、裁判の行方から一瞬たりとも目が離せなくなります。
💡 おすすめポイント・見どころ 事件の真相を多角的な視点からじっくりと炙り出していく重厚な筆致が大きな魅力です。容疑者の女性が纏うミステリアスな空気感と、法廷で繰り広げられる検察と弁護側の緊迫したやり取りがリアルに描かれています。人間の内面に潜む複雑な動機や社会の歪みを鋭く突いた、骨太な人間ドラマとして深く心に響きます。
Ank: a mirroring ape
第 25 位 38

Ank: a mirroring ape

京都の街で人々が互いに殺し合いを繰り広げる未曽有の大惨劇「キョート・ライオット」が発生します。この想像を絶する大暴動の発端となったのは、霊長類研究施設にいたたった一頭のチンパンジー「鏡=アンク」でした。世界中を飲み込もうとする巨大な災厄の脅威に対して、研究者の鈴木望はたった一人で立ち向かうことになります。
💡 おすすめポイント・見どころ 人類の進化や科学の倫理という重いテーマを背景に、圧倒的なスケールで描かれるパニック・サスペンスです。目の前で起きる暴動の恐怖と、研究者としての使命感に揺れる主人公の姿が生々しく描写されています。常識を覆すような特異な設定とスピード感あふれる展開によって、一気に物語の核心へと引き込まれます。
この世の春
第 26 位 36

この世の春

正体不明の悪意が怪しい囁きと化し、かけがえのない人々の心を少しずつ蝕み始めていきます。目鼻を持たぬ不気味な仮面に怯え続ける青年は、恐怖のあまりひとりの少年を自らの手でつくり出します。悪が幾重にも憑依した一族を救うための救世主として現れたこの少年は、果たして真の希望となり得るのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 人間の深層心理に潜む暗部や狂気を丹念にすくい上げる巧みな心理描写が光ります。不穏な空気感を纏った怪しげな人間関係が、物語が進むにつれて複雑に絡み合い、独特の世界観を構築しています。謎めいた仕掛けが随所に張り巡らされていて、ページをめくるたびに深まるミステリアスな雰囲気を堪能できます。
7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー
第 27 位 34

7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー

新本格ミステリの30周年を記念して、日本を代表するそうそうたる作家陣が集結した全編書き下ろしの豪華なアンソロジーです。密室状況を扱った謎解きから天才少年が見た夢、一風変わった趣向の遺書、さらには推理の定番をひねった問題まで、それぞれの作家の持ち味が存分に発揮された珠玉の短編が揃っています。
💡 おすすめポイント・見どころ 日本のミステリ界を牽引してきた名だたる作家たちの競演を一度に楽しめる贅沢な一冊です。それぞれの作品において異なるトリックやアプローチが展開されており、ベテランならではの技と遊び心がふんだんに詰め込まれています。ミステリの歴史と現在地を同時に味わえる、ファン垂涎の充実した企画となっています。
悪魔を憐れむ
第 27 位 34

悪魔を憐れむ

大学のOBから「恩師が跳び降り自殺しないよう見張ってほしい」と頼まれた匠千暁は、現場で待機していたにもかかわらず先生を死なせてしまいます。老教師が自ら命を絶った理由を追いかけ、真犯人から悪魔のような口上を引き出す表題作のほか、刑事の実家で長年続く心霊現象の謎に挑む「無間呪縛」など四つの事件が収められています。
💡 おすすめポイント・見どころ 日常のなかに潜む小さな違和感から出発し、思いがけない真相へとたどり着くロジカルな謎解きが見事です。個性豊かな登場人物たちの軽快な会話劇と、シリアスな事件のコントラストが絶妙なバランスで保たれています。論理的な推理の積み重ねによって、隠された真実が明るみに出ていくプロセスを存分に味わうことができます。
教場0: 刑事指導官・風間公親
第 29 位 32

教場0: 刑事指導官・風間公親

借金の肩代わりを理由に交際を続ける女性や、芸術家を目指す息子の夢を阻む者、いじめに苦しむ息子を守りたい母親など、さまざまな事情を抱えた人々が次々と現れます。さらに、隣室の女優が持ち込む不穏な相談や、認知症の妻の介護に疲れた夫の苦悩など、人間の暗部を映し出す事件が相次ぎます。どんな秘密や嘘も冷徹に見抜く風間公親が、殺人現場に臨場して真相を暴きます。
💡 おすすめポイント・見どころ 鋭い洞察力で相手の本音や嘘を次々と暴いていく風間公親の圧倒的な存在感が際立ちます。各エピソードに巧妙に仕掛けられた手がかりと、予想外の結末を迎える鮮やかな構成力が見事です。刑事たちの成長を描く人間ドラマとしても非常に読み応えがあり、ページをめくる手が止まらなくなります。
名探偵は嘘をつかない
第 30 位 31

名探偵は嘘をつかない

数々の難事件を鮮やかに解決してきた名代探偵の阿久津透が、証拠を捏造して自らの犯罪を隠蔽したという罪に問われます。本邦初となる探偵弾劾裁判にかけられることになった彼に対し、兄を見殺しにされた過去を持つ助手の火村つかさは裁判の請求人として立ち上がります。裁判の参加者の中には、思いがけない意外な人物も含まれていました。
💡 おすすめポイント・見どころ 探偵自身が裁かれるという非常にユニークな法廷劇の枠組みが大きな見どころです。これまでの事件で用いられた手法や倫理観が厳しく問われ、正義とは何かを深く考えさせられます。新人発掘プロジェクトから登場した著者ならではの緻密な構成と、読者をあっと言わせる鮮やかな展開が光ります。
息子と狩猟に
第 31 位 30

息子と狩猟に

死体を抱えた振り込め詐欺集団のボスと、息子を連れて鹿狩りに来たハンターが山中で遭遇します。探す、追う、狙う、撃つという極限状態の中で、狩られるのはどちらなのでしょうか。サバイバル登山家が人間の倫理を問い、命の意味に迫る圧倒的なリアリティに満ちた表題作と、危険な山での極限下の出来事を描くもう一つの篇が収録されています。
💡 おすすめポイント・見どころ 実体験に裏打ちされた圧倒的なリアリティ描写が大きな魅力です。机上の空論ではない、命のやり取りが行われる現場の空気感が緻密に再現されています。過酷な自然と人間が対峙したときの心理的変化や、父親と息子の関係性の変化を鋭く切り取る手腕には唸らされます。
僕が殺した人と僕を殺した人
第 31 位 30

僕が殺した人と僕を殺した人

アメリカを震撼させた連続殺人鬼サックマンが逮捕されたとき、彼の弁護を担当することになった国際弁護士のわたしは、三十年前に台湾で過ごした少年時代を思い出します。十三歳だったわたしは、サックマンのことを確かに知っていました。台湾を舞台にして描かれる、数々の文学賞を受賞した青春ミステリの金字塔です。
💡 おすすめポイント・見どころ 過去の記憶と現在の事件が交錯する構成の妙が際立っています。少年時代の切なさと、冷徹な連続殺人鬼を結びつけるプロットが非常に秀逸です。ノスタルジックな台湾の情景描写の中で徐々に明かされる真実は、読者に深い余韻を残します。
探偵さえいなければ
第 31 位 30

探偵さえいなければ

着ぐるみが集う烏賊川市のビッグイベントであるゆるキャラコンテストの準備中に、一人の出場者が胸を刺されて死んでいるのが発見されます。事件解決のリミットはコンテスト開始までの一時間という緊迫した状況の中、探偵の鵜飼が真相解明に乗り出します。おなじみの面々が繰り広げる、大人気ユーモアミステリーの傑作集です。
💡 おすすめポイント・見どころ シリアスな状況設定でありながら、どこか抜けた登場人物たちの掛け合いが笑いを誘います。限られた制限時間というサスペンス要素と、脱力系のコメディ要素が見事に融合しています。気負わずに楽しく読める上質なエンターテインメントとして仕上がっています。
希望が死んだ夜に
第 34 位 28

希望が死んだ夜に

神奈川県川崎市で、十四歳の女子中学生が同級生を殺害した容疑で逮捕されます。少女は犯行を認めるもののその動機は一切語らず、何故のぞみが殺されたのかという疑問が残されます。二人の刑事が捜査を開始すると意外な事実が浮かび上がり、現代社会が抱える闇が浮き彫りになる社会派青春ミステリーです。
💡 おすすめポイント・見どころ 加害少女が動機を語らないという沈黙から始まるミステリとして、非常に引きの強い展開が用意されています。個人の犯罪として片付けず、背景にある社会の歪みや少女たちの孤独に鋭く切り込んでいます。青春の光と闇をリアルに描き出す筆力は見事です。
(仮)ヴィラ・アーク 設計主旨
第 34 位 28

(仮)ヴィラ・アーク 設計主旨

断崖に建つ不可解な館に招かれた川津たちを待ち受けていたのは、消えた黒猫の捜索をきっかけに一人また一人と行方不明者が出る連続失踪事件です。嵐がおさまり真相にたどり着いたと思った瞬間、爆発音が轟きます。建築家たちによって謎が紐解かれ、最後に建物の設計主旨が明かされることで、物語は大きく変貌します。
💡 おすすめポイント・見どころ 物理的な館の構造と事件のトリックを巧みに連動させた、本格ミステリとしての構築度が非常に高いです。物語の後半で建築の設計主旨が明らかになると同時に、一気に社会派ミステリへと変貌を遂げる構成のサプライズに驚かされます。
義経号、北溟を疾る
第 37 位 25

義経号、北溟を疾る

明治天皇の北海道行幸に合わせ、義経号の乗車が計画されます。しかし、北海道大開拓使の黒田清隆に恨みを抱く屯田兵たちによる、お召し列車妨害の陰謀が浮上します。事態を重く見た警視総監の樺山は、勝海舟の助言を受け入れ、元新撰組の藤田五郎に極秘の探索を命じます。札幌へ降り立った藤田は、不平屯田兵の妻が不審な死を遂げた事件を追い始めます。不穏な空気が渦巻く北の大地で、天皇行幸の時は刻一刻と迫ります。歴史の裏に隠された陰謀と殺人事件の真相に迫る、書き下ろし長編歴史冒険ミステリーです。
💡 おすすめポイント・見どころ 元新撰組の斎藤一こと藤田五郎が主人公として活躍する点が、ファンにとってたまりません。歴史上の実在の人物と事件が見事に絡み合い、明治初期の北海道という開拓期の熱気と殺伐とした空気がリアルに伝わってきます。列車妨害というダイナミックなサスペンスと、悲惨な死を遂げた女性の事件を追うミステリー要素が絶妙なバランスで融合しています。渋みのあるハードボイルドなテイストが全編を貫いており、硬派な歴史エンターテインメントを存分に堪能できます。
BUTTER
第 37 位 25

BUTTER

男たちを虜にして死へと追いやったとされる婚活連続殺人事件の女性容疑者と、彼女に接見を重ねる週刊誌記者の姿を描いたダークスリラーです。拘置所のアクリル板越しに語られる濃厚なバターと食の快楽に触れるうち、記者の平穏な日常は静かに崩れ始めます。世界各国で翻訳され大きな反響を呼んだ話題の長篇小説です。
💡 おすすめポイント・見どころ 食の快楽と人間の欲望をグロテスクなまでに結びつけた独特のテーマ設定が強烈な印象を残します。女性の生き方や社会の規範に対する鋭い批評性が、濃厚な美食の描写と相まって読者の五感を強烈に刺激します。
愚者の毒
第 39 位 24

愚者の毒

上野の職安で出会った葉子と希美は、互いに後ろ暗い過去を秘めながら友情を深めていきます。しかし希美の紹介で家政婦として働き出した旧家の主の不審死をきっかけに、過去の因縁が二人に襲いかかります。すべての始まりである筑豊の廃坑集落で仕組まれた陰惨な殺しからつながる、絶望と罪を描いた傑作です。
💡 おすすめポイント・見どころ 昭和の暗部を背景に、女性たちの業と哀しみをえぐり出すような重厚なストーリーテリングが展開されます。過去の悲劇が現在の登場人物たちを容赦なく追い詰めていく因果応報のドラマが、高い緊張感を維持したままラストまで引っ張ります。
彼女の色に届くまで
第 40 位 23

彼女の色に届くまで

画家を目指すものの冴えない毎日を送っていた高校生の僕は、絵画損壊事件の犯人にされそうになったところを謎めいた美少女の千坂桜に救われます。有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かす千坂と共に、僕は美術にまつわる数々の事件に巻き込まれていきます。有名絵画が多数登場する、ほろ苦く切ない青春アートミステリです。
💡 おすすめポイント・見どころ 実在する名画の解説とミステリのトリックが有機的に結びついている点が大きな特徴です。アートの知識を楽しく学べるだけでなく、才能を巡る若者たちの葛藤や切なさが瑞々しい筆致で描かれており、青春小説としても高い完成度を誇ります。
暗手
第 41 位 22

暗手

台湾プロ野球での八百長から逃れてイタリアで何でも屋として生きる加倉は、サッカー賭博の帝王から日本人ゴールキーパーに八百長をさせろという依頼を持ちかけられます。仕事に取りかかった加倉は、ターゲットの姉の写真を見て大きな衝撃を受けます。かつての傑作の主人公が復活を果たした、破滅へと向かうクライムノベルです。
💡 おすすめポイント・見どころ 裏社会に生きる人間のどうしようもない業や、逃れられない破滅の予感が圧倒的な筆力で描かれています。容赦なく地獄へと突き落とされる主人公の姿を通じて、人間の暗部を鋭く暴き出す著者の持ち味が存分に発揮されています。
ゲームの王国
第 42 位 21

ゲームの王国

百万人以上の生命を奪ったすべての不条理が、まるでゲームのように少女と少年を見つめながら進行していきます。壮大なスケールで描かれる、圧倒的な熱量を持った規格外のSF巨篇の前半部分です。
💡 おすすめポイント・見どころ 緻密に構築された世界観と、圧倒的なスケール感で読者を異世界へと誘います。不条理な運命に翻弄される少年少女の姿が生々しく描かれ、物語の先がどう展開するのか目が離せません。
黄砂の籠城
第 42 位 21

黄砂の籠城

1900年の中国を舞台に、4000人の外国人とキリスト教徒を守り抜いた日本人の奮闘を描く歴史エンタテインメントです。日本が世界の先陣を切って漢人キリスト教徒を救出したものの、西太后は宣戦布告を決断し公使館区域からの退去を通告します。沿岸部からの援軍も届かない絶望的な状況下で、20万人の義和団と清国軍の脅威に立ち向かう人々の運命はいったいどうなるのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 圧倒的なスケールで描かれる近世の秘史が、読者の知的好奇心を強く刺激します。緊迫感漂う籠城戦の中で繰り広げられる人間ドラマの重厚さが際立ち、誇り高き人々の生き様を鮮烈に浮き彫りにしています。
転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿
第 42 位 21

転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿

43年前の二重密室から消息を絶った幻の女が、当時と変わらぬ容姿のまま国会前のデモ群衆の中に現れます。謎の女の捜索を依頼された私立探偵・飛鳥井は、過去の消失事件の関係者を追ううちに、現代日本の闇と深く結びついた恐るべき犯罪の存在へたどり着きます。本格ミステリとハードボイルド、そして社会派の要素が巧みに融合した物語の結末には何が待ち受けているのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 本格ミステリとハードボイルドの手法が見事に融合し、重層的な謎解きを楽しませてくれます。現代社会の歪みを鋭く突く社会派としての側面の深さも、物語に強い説得力を与えています。
濱地健三郎の霊なる事件簿
第 42 位 21

濱地健三郎の霊なる事件簿

鋭い推理力と幽霊を視る異能力を併せ持つ心霊探偵・濱地健三郎が、常識では説明のつかない奇妙な事件の数々に挑みます。加害者が同時に異なる場所に存在した謎や、ホラー作家を訪ね突如として現れる幽霊の謎、そして恋人の急激な態度の豹変といった不可解な現象の裏に隠された真実とはいったい何なのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ 論理的な謎解きが求められる本格ミステリと、肌寒い恐怖を感じさせる怪談が見事に融合した独特の世界観を生み出しています。超常現象と事件の真相が結びつく瞬間は、新鮮な驚きを味わわせてくれます。
ディレクターズ・カット
第 42 位 21

ディレクターズ・カット

報道ワイド番組のコーナーで放送される若者たちの無軌道な行動が、じつはやり手の下請けディレクターによるやらせ演出でした。さらなる視聴率獲得をもくろみ暴走するディレクターは、警察の裏をかいて連続殺人鬼との接触を図ります。自らの思惑通り生中継の現場へ殺人鬼を引きずり出そうとする彼の狂気的な計画は、どのような結末を迎えるのでしょうか。
💡 おすすめポイント・見どころ メディアの裏側に巣食う人間の業や暴走する欲望を生々しく描き出し、現代の映像文化に対する痛烈な風刺を効かせています。物語の終盤で炸裂するどんでん返しは、これまでの前提を覆して読者に強烈な衝撃をもたらします。
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