闇に香る嘘
愛する孫へ腎臓を移植するため検査を受けた村上和久だったが、適合しないという非情な現実につきつけられる。頼みの綱である中国残留孤児の兄・竜彦に提供を乞うものの、なぜか検査すら頑なに拒絶する不自然な態度。全盲の和久は、帰国時に顔を確認できなかったその男が、27年間信じ込んできた「偽者」ではないかという疑念に囚われる。命を賭して兄の正体を追う、執念のサスペンスが開幕する。
💡 おすすめポイント・見どころ
全盲の主人公が「音」や「気配」、そして記憶を頼りに肉親の正体を暴いていくという、設定の斬新さとサスペンスフルな緊迫感がたまらない傑作!27年間信じてきた絆が音を立てて崩れていく恐怖と、偽物の裏に隠された驚愕の真実が徐々に浮かび上がってくる構成の妙が見事の一言。肉親の情愛と歴史の悲劇が複雑に絡み合う、一気読み必至の骨太な人間ドラマを存分に味わえます。