神の悪手
年齢制限による退会が刻一刻と迫りながらも、昇段の目がない奨励会員の岩城啓一。人生の崖っぷちに立たされた三段リーグ戦の前夜、彼は対戦相手の棋士からある禁断の“戦略”を持ちかけられる。破滅への道を歩むことになると分かっていながらも、あまりの誘惑に心が揺らぐ男。極限まで追い詰められた人間が、将棋人生のすべてを賭けて挑む完璧なアリバイ工作の行方を描く将棋ミステリの傑作。
💡 おすすめポイント・見どころ
勝負の世界に身を置く人間が直面する残酷な現実と、狂おしいまでの執着を鋭く描いた心理ミステリの傑作!敗者にとっての破滅と、それでも先の世界を見たいという欲望の狭間で揺れる奨励会員の葛藤がリアルに胸を突きます。追い詰められた男が企てるアリバイ工作の緊迫感は、将棋を知らない読者であっても一気に引き込まれること間違いなし。人生の選択を迫られた人々の業をあぶり出す、芦沢央の圧倒的な筆力に唸らされます。