勁草
💡 巧妙化する詐欺の罠、底知れぬ悪意が社会を蝕む。
オレオレ詐欺の標的リストを作成する裏稼業である名簿屋の高城に雇われた橋岡は、被害者から直接現金を受け取る受け子の手配も任されていた。騙し取った莫大な金が口座にうなる一方で、賭博で多額の借金をつくった橋岡と八代は元締めである高城に融通を迫る。一方、府警の特殊詐欺班に所属する刑事たちも水面下で周到な捜査を進めていた。最新の犯罪手口の裏側と、底知れない人間の欲を描き尽くす問題作。
💡 おすすめポイント・見どころ
現代社会を蝕む特殊詐欺のリアルな手口と、そこに群がる犯罪者たちの生態を生々しく描き出した社会派ノワールの傑作です。警察の捜査と裏稼業の人間模様が交錯するスリリングなプロットは、一瞬たりとも読者の緊張感を緩ませません。綺麗事の通用しないアンダーグラウンドの世界を圧倒的なリアリティで構築する筆力には舌を巻くほかありません。人間の底知れない欲望と恐怖を容赦なく突きつける、著者真骨頂の硬派な一冊です。