ナオミとカナコ
💡 いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那。
望まない職場で憂鬱な日々をやり過ごすOLの直美と、夫の凄惨な暴力に耐え続ける専業主婦の加奈子。三十歳を目前にして出口のない現実に追いつめられた二人は、人生を覆すための究極の選択を迫られる。夫の存在そのものを消し去るという前代未聞の計画が、祈りにも似た切実さの中で静かに動き出す。復讐とサバイバル、そして自己実現の境界線を描き出す、奥田英朗の比類なき才能が全開となったサスペンス長編。
💡 おすすめポイント・見どころ
日常のすぐ隣に潜む絶望から抜け出すため、平凡な女性たちが牙をむく瞬間の恐ろしさと美しさを描いたサスペンスです。DVという重いテーマを扱いながらも、どこか軽やかな筆致で読者を共犯者へと仕立て上げる手腕はさすがの一言に尽きます。追い詰められた人間が見せる凄まじいエネルギーと、計画が進行していくスリルに心拍数が上がりっぱなしになります。ページを繰る手が止まらない、エンターテインメントの極みを体感できる傑作です。