向日葵を手折る
💡 切り落とされた向日葵の奥に、残酷な真実が眠っている。
父親の突然の死により、山形の山あいの集落へと引っ越した小学校6年生の高橋みのり。分校の同級生たちと心を通わせる穏やかな夏が訪れるが、集落の行事のために大切に育てられてきた向日葵の花が何者かによってすべて切り落とされる事件が発生する。子どもたちの間で「向日葵男のしわざだ」という不穏な噂が広がる中、さらなる事件が影を落とし始める。季節の移ろいとともに少女の4年間と事件の真相が鮮やかに浮かび上がる。
💡 おすすめポイント・見どころ
過疎化する地方の集落を舞台に、少年少女の瑞々しい日常と不穏な事件が交錯する鮮烈な青春ミステリー。美しい自然の描写とは裏腹に、子どもたちのコミュニティに潜む残酷さや大人の秘密が少しずつ暴かれていく構成が見事です。向日葵が切り落とされるという不気味な事件を発端に、4年間にわたる時間の経過の中で明かされていく真実は、読者の胸を強く締め付けます。切なさと謎解きの妙が完璧に調和した、魂を揺さぶる傑作です。