冷血(上)
💡 クリスマス前夜の惨劇。翻弄される組織と動き出す男。
2002年のクリスマス前夜に東京郊外で発生した医師一家殺人事件。衝動のままATMを破壊し、コンビニを襲い、目についた住宅に侵入して凶行におよんだ犯人たちの正体と目的とは何か。ひとつの凄惨な事件をめぐり、幾層にも重なり合う事実と人間模様が静かに、そして容赦なく暴かれていく。
💡 おすすめポイント・見どころ
ひとつの凶悪事件を通じて現代の病理と人間の暗部をどこまでも冷徹に描き出す、高村薫の圧倒的な筆力が光る傑作です。登場人物たちの心理描写や事件を取り巻くディテールが驚くほど緻密で、まるで自分自身が事件の目撃者になったかのような錯覚にとらわれます。ずっしりと重い読後感を残す、まさに日本警察・犯罪小説の到達点です。