『このミステリーがすごい!』非公式サイト 【このミスまとめ】

さくらんか的ミステリ30選30 Mysteries Of Sakuranka Choice

さくらんか的ミステリ30選

「このミスまとめ」管理者・さくらんかが個人的に選出したミステリ30選を紹介します。
面白いのは当然として、「トリックがすごい!」「めっちゃ怖い」「感動する」など感銘を受けたポイントも併せて掲載しています。
しかし挙げてみたものの、まぁインターネットでも評価されている作品が多く、結局皆が面白いと思っている作品は自分も面白いと思っているんだなぁと再認識しました。
また、一応、著者1人につき1作品という縛りを設けています。
ただ、いわゆる「隠れた名作」的な作品が少なく、これでは他の方のミステリランキングと代わり映えしないのではないかという気もしています。
※現在執筆中ですので途中経過まで掲載しています。

  • 第1位 ⇒ 第10位

    第1位第1位我らが隣人の犯罪


    著者:宮部みゆき

    僕は三田村誠。
    中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。
    僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。
    僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐”したのだが…。
    表題作以下5篇収録。
    (「BOOK」データベースより)

    コメント

    約20年前に読み、衝撃を受けた一作を第1位としました。

    未だに本作を超える作品は、個人的には発掘できていません。

    5篇から成る短編ミステリでそのどれもが完成度が高く、宮部みゆきのデビュー作にして完成形だと思います。

    個人的には表題作『我らが隣人の犯罪』が気に入っており、主人公・三田村誠が隣人を懲らしめるため飼っている愛犬・リリーを誘拐するという風変わりなストーリーながら、オチもしっかり付いておりミステリとして完成しています。

    その他4篇もそれぞれに驚きや感動できるポイントがあり、非常に素晴らしい作品です。

    人生で本作を超える作品に出会うことが最終目標かもしれません。

    ちなみに著者1人につき1作品という縛り上、他の宮部みゆきの作品としては『理由』、『R.P.G.』、『ソロモンの偽証』などを候補としていました。

    『ソロモンの偽証』は縛りがなければトップ10入りしていたと思うほど好きな作品です。

    第2位第2位葉桜の季節に君を想うということ


    著者:歌野晶午

    ひょんなことから霊感商法事件に巻き込まれた“何でもやってやろう屋”探偵・成瀬将虎。
    恋愛あり、活劇ありの物語の行方は?そして炸裂する本格魂。
    (「BOOK」データベースより)

    コメント

    2000年代を代表するミステリ作品で、「第57回日本推理作家協会賞」「第4回本格ミステリ大賞」をそれぞれ受賞、「このミステリーがすごい!2023年版」「本格ミステリベスト10 2004年版」で第1位に選出されています。

    読んだことはなくてもタイトルは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

    本作は読者の先入観を逆手に取り、驚愕の真実を提示するミステリなのですが、読者の間では評価が別れている作品です。

    ですが、個人的にこういったミステリを初めて本作で体験したものでして、その衝撃は今でも鮮明に覚えています。

    タイトルの美しさに惹かれたまたま手に取り、私をミステリにどっぷり嵌らせた作品です。

    歌野晶午は好きな作家なので、他にも『密室殺人ゲーム王手飛車取り』や『ハッピーエンドにさよならを』など、いくつかの作品を候補に上げたかったほどです。

    第3位第3位Rのつく月には気をつけよう


    著者:石持浅海

    湯浅夏美と長江高明、熊井渚の3人は大学時代からの呑み仲間。
    毎回誰かが連れてくるゲストは、定番の飲み会にアクセントをつける格好のネタ元だ。
    酔いもまわり口が軽くなったところで盛り上がるのはなんといっても恋愛話でー小粋なミステリー短編。
    (「BOOK」データベースより)

    コメント

    私と同じ愛媛県出身の作家である石持浅海の連作短編集です。

    恐らくはそれほどメジャーな作品ではないと思いますが、第3位に選出できるほどの面白さを持っています。

    個人的には日常系のミステリでは最高峰。

    登場人物のお酒を飲みながらのグルメや恋愛トークにふとしたミステリ要素が絡んでき、全体的に軽快な雰囲気でスラスラ読了できます。

    もちろん、ただの日常系ミステリではなくアッと驚く要素もあるので、ミステリを読んだことがない方、ミステリを読み慣れた方のどちらにもおすすめできます。

    石持浅海と言えば『扉は閉ざされたまま』が有名ですが、本作もいわゆる隠れた名作です。

    第4位秘密


    著者:東野圭吾

    究極の謎。妻と娘を失った男におきた奇跡とは。
    (「BOOK」データベースより)

    コメント

    「BOOK」データベースのあらすじが非常に短いのでここで補足します。

     主人公・杉田平介は実家に帰省する妻・直子と娘・藻奈美がバスの事故に遭ったと知る。
     直子は亡くなってしまうが、藻奈美は一命を取り留めた。
     しかし藻奈美の身体にはなおこの意識が宿っており、記憶も口調も直子のものだった。
     その日から杉田家はこの「秘密」を抱えたままの生活を送ることになった。

    このようなストーリーなのですが、小説を読んで涙を流したのは、後にも先にも本作だけだったと記憶しています。

    タイトルの『秘密』ですが、これは当然藻奈美の身体に直子の意識が宿っていることを指しているのですが、結末で「本当の秘密」に気付かされることになります。

    平介の葛藤や藻奈美(直子)の成長など、これからどうなっていくのかが気になりページを捲る手を止められませんでした。

    東野圭吾と言えばミステリを揶揄するような表現で話題となった『名探偵の掟』や、『ガリレオシリーズ』で映画もヒットした『容疑者Xの献身』など、数々のヒット作を飛ばしているだけに、一作に絞るのは頭を悩ませました。

    第5位リピート


    著者:乾くるみ

    「リピート」ーそれは、現在の記憶を保ったまま過去の自分に戻って人生をやり直す時間旅行のこと。
    様々な思惑を胸にこの「リピート」に臨んだ十人の男女が、なぜか次々と不可解な死を迎えて…。
    独自の捜査に着手した彼らの前に立ちはだかる殺人鬼の正体とは?
    あらゆるジャンルの面白さを詰めこんだ超絶エンタテインメントここに登場。
    (「BOOK」データベースより)

    コメント

    SFミステリを思い浮かべたとき、真っ先に思いつくのが本作。

    こういったミステリランキングには必ず顔を出す乾くるみですが、選出作品は東野圭吾以上に悩みました。

    映像化不可能と言われた(映画化されましたが)傑作『イニシエーション・ラブ』やイロモノ学園ミステリ『Jの神話』など、5作品ほど候補としましたが、傑作SFミステリとして本作を挙げました。

    「リピート」と呼ばれるある日から人生をやり直すことができる現象を利用したミステリです。

    こういったタイムリープ系の作品は星の数ほどありますが、併せて殺人事件により一人ずつメンバーがいなくなっていくのが斬新でした。

    特に「なぜメンバーが殺されるか」の解には驚愕です。

    第6位私達が星座を盗んだ理由


    著者:北山猛邦

    難病の女の子を喜ばせるため、星座を一つ消して見せる男の子を描く表題作ほか、5つの物語のすべてに驚愕のどんでん返しが待つ、ファンタジックな短編集。
    優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で残酷に反転する衝撃は、快感ですらある。
    まさに、ミステリの醍醐味!
    (「BOOK」データベースより)

    コメント

    全5篇から成るそれぞれが独立した短編小説なのですが、どれも素晴らしい完成度です。

    特に表題作である『私達が星座を盗んだ理由』が最高に好みでした。

    ネタバレになってしまうので詳細には触れませんが、心温まるストーリーかと思いきや…という一筋縄ではいかないところがやはりミステリの醍醐味ですね。

    私の好きなジャンルは日常系と後味悪い系であることを再認識できた作品です。

    実は北山猛邦の作品は本作しか読んだことがないので、他の作品にも挑戦したいと思っています。

    第7位ジェノサイド


    著者:高野和明

    急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。
    それがすべての発端だった。
    創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。
    ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。
    同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。
    暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。
    事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。
    イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。
    (「BOOK」データベースより)

    コメント

    珠玉の冒険SF小説だと思います。

    ミステリかと言われれば疑問ではありますが、ミステリではおなじみ「広義の」ミステリということでご容赦を…。

    まず本作は非常に疾走感が高く、ページを捲る手を停められません。

    純粋に読んでいて面白い、エンタメ小説として最高峰!

    高野和明と言えば乱歩賞を受賞した『13階段』のような精緻なミステリのイメージが強かったのですが、まさかこのようなスケールの大きな作品までイケるとは思いもよりませんでした。

    スケールの大きさで言えば真保裕一の『ホワイトアウト』も候補にあげようかと迷ったのですが、あちらは本作より更にサスペンス寄りだと思ったので今回は自重しました。

    とは言え、「このミステリーがすごい!1998年版」で第1位を獲得している作品をミステリかどうかと訝るのも野暮ってもんですが…。

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