蝉かえる
💡 虫を愛する風変わりな名探偵が、事件に隠された人間の切なさを暴く。
16年前の災害ボランティアの青年が目撃した行方不明の少女の幽霊にまつわる謎を描く表題作をはじめ、交差点での交通事故と団地での負傷事件の思わぬつながりを暴く「コマチグモ」など5篇を収録。ブラウン神父や亜愛一郎の系譜を継ぐ、昆虫好きの青年・エリ沢泉が、とぼけた佇まいの裏で鋭い推理を発揮し、事件の奥底に秘められた人間の悲しみや愛おしさを鮮やかに解き明かしていく。
💡 おすすめポイント・見どころ
昆虫を愛する風変わりな青年探偵が、事件の奥にある人間の深い悲しみや愛おしさをすくい取る珠玉の連作ミステリ集です。ただ謎を解くだけにとどまらず、物語の背景にある自然の営みや人々の営為を繊細な筆致で描き出すスタイルは唯一無二の輝きを放っています。本格ミステリとしての高いクオリティと、文学的な余韻を同時に味わえる贅沢な一冊です。