生き残り
北ビルマでの米支軍との戦いで退路を断たれ、苦戦を強いられた日本兵たち。独歩患者の分進隊としてイラワジ河を下る最中、すさまじい敵機の襲撃を受ける。中州への避難のさなか、伍長が胸の一突きで殺害されるという密室の惨劇が発生。極限状態のなかで人間関係は崩壊し、兵士たちは一人また一人と命を落とす。転進の道で鬼とならざるを得なかった人間の哀しさを描くサスペンスフルな戦争小説。
💡 おすすめポイント・見どころ
極限の戦場を舞台に、人間の弱さと残酷さを鋭く抉り出す圧倒的な戦争サスペンスです。密室状態の中州で起きた不可解な殺人事件の真相はもちろん、生き残るために理性を失っていく兵士たちの心理描写がリアリティに満ちていて息を呑みます。戦争の悲惨さと人間存在のままならさを深く考えさせられる重厚な名作。