『このミステリーがすごい!』非公式サイト 【このミスまとめ】

2023年12月5日に発表された『このミステリーがすごい!2024年版』が、現時点での最新版です。
詳細は下記「詳細を見る」リンクよりご確認ください。

このミステリーがすごい!2023年版『KONOMYS』 2023 Edition

このミステリーがすごい!2023年版

このミステリーがすごい!2023年版 国内編ランキング(1位⇒43位)を、あらすじや得点などの情報と併せて掲載しています。
奥付表記で2021年10月~2022年9月に発行されたミステリー作品が対象です。
アンケート回答者(国内74名)が選出した作品について、以下の配点により集計しています。
点数が20点に満たない作品はランキング対象外となります。
【1位】10点 / 【2位】9点 / 【3位】8点 / 【4位】7点 /【5位】6点 / 【6位】5点

< 前年(2022年版) 翌年(2024年版) >

  • 第1位 ⇒ 第10位

    第1位第1位爆弾(202点)


    著者:呉勝浩

    無差別爆破テロ。
    動機も目的もわからない。
    爆弾の在り処の手がかりは、容疑者と思しき中年男が出す“クイズ”のみ。
    限られたヒントしかない状況で、警察は爆発を止めることができるのか。
    狭小な取調室の中で、最悪な男との戦いが始まる。
    (「BOOK」データベースより)

    第2位第2位名探偵のいけにえ(164点)


    著者:白井智之

    病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。
    調査に赴いたまま戻らない助手を捜しに教団へ乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。
    だが、「密室」殺人でさえ、奇蹟を信じる人々には、何ら不思議な出来事ではない。
    探偵は論理を武器に、カルトの妄信に立ち向かう。
    「現実」を生きる探偵と、「奇蹟」を生きる信者。
    真実の神は、どちらに微笑むか?
    (「BOOK」データベースより)

    第3位第3位捜査線上の夕映え(136点)


    著者:有栖川有栖

    「臨床犯罪学者 火村英生シリーズ」誕生から30年!
    最新長編は、圧倒的にエモーショナルな本格ミステリ。
    一見ありふれた殺人事件のはずだった。
    火村の登場で、この物語は「ファンタジー」となる。
    大阪の場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された。
    金銭の貸し借りや異性関係のトラブルで、容疑者が浮上するも……。
    「俺が名探偵の役目を果たせるかどうか、今回は怪しい」
    火村を追い詰めた、不気味なジョーカーの存在とはーー。
    コロナ禍を生きる火村と推理作家アリスが、ある場所で直面した夕景は、佳き日の終わりか、明日への希望かーー。
    (「BOOK」データベースより)

    第4位方舟(129点)


    著者:夕木春央

    大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
    翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。
    さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。
    いずれ地下建築は水没する。
    そんな矢先に殺人が起こった。
    だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。
    タイムリミットまでおよそ1週間。
    生贄には、その犯人がなるべきだ。
    -犯人以外の全員が、そう思った。
    (「BOOK」データベースより)

    第5位プリンシパル(120点)


    著者:長浦京

    1945年、東京。関東最大級の暴力組織、四代目水嶽本家。
    その一人娘である綾女は、終戦と父の死により、突如、正統後継者の兄たちが戦地から帰還するまで「代行」役となることを余儀なくされる。
    懐柔と癒着を謀る大物議員の陥穽。
    利権と覇権を狙うGHQの暗躍。勢力拡大を目論む極道者たちの瘴気…。
    綾女が辿る、鮮血に彩られた闘争の遍歴は、やがて、戦後日本の闇をも呑み込む、漆黒のクライマックスへと突き進む。
    (「BOOK」データベースより)

    第6位爆発物処理班の遭遇したスピン(118点)


    著者:佐藤究

    鹿児島市の小学校に、爆破予告が入る。
    急行した爆発物処理班の駒沢と宇原が目にしたのは黒い箱。
    処理を無事終えたと安心した刹那、爆発が起き駒沢は大けがを負ってしまう。
    事態の収拾もつかぬまま、今度は、鹿児島市の繁華街のホテルで酸素カプセルにも爆弾を設置したとの連絡が入った。
    カプセルの中には睡眠中の官僚がいて、カバーを開ければ即爆発するという。
    さらにほぼ同時刻、全く同じ爆弾が沖縄の米軍基地にも仕掛けられていることが判明。
    事件のカギとなるのは量子力学!?「爆発物処理班の遭遇したスピン」。
    他に、日本推理作家協会賞短編部門の候補となった「くぎ」、「ジェリーウォーカー」「シヴィル・ライツ」「猿人マグラ」「スマイルヘッズ」「ボイルド・オクトパス」「九三式」を収録。
    (「BOOK」データベースより)

    第7位同志少女よ、敵を撃て(112点)


    著者:逢坂冬馬

    独ソ戦、女性だけの狙撃小隊がたどる生と死。
    驚愕のデビュー作。
    第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞、2022年本屋大賞受賞
    (「BOOK」データベースより)

    第8位大鞠家殺人事件(84点)


    著者:芦辺拓

    大阪の商人文化の中心地として栄華を極めた船場。
    戦下の昭和十八年、陸軍軍人の娘・中久世美禰子は婦人化粧品販売で富を築いた大鞠家の長男に嫁いだ。
    だが夫・多一郎は軍医として出征し、美禰子は新婚早々、一癖も二癖もある大鞠家の人々と同居することになる。
    やがて彼女は一族を襲う惨劇に巻きこまれ…
    大阪大空襲前夜に起きる怪異と驚愕の連続を描き、正統派本格推理の歴史に新たな頁を加える傑作長編ミステリ!
    (「BOOK」データベースより)

    第9位地図と拳(80点)


    著者:小川哲

    「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。
    ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。
    叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。
    地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。
    奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。
    「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
    (「BOOK」データベースより)

    第9位リバー(80点)


    著者:奥田英朗

    群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで女性の死体が発見!
    十年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口が、街を凍らせていく。
    かつて容疑者だった男。
    取り調べをした元刑事。
    娘を殺され、執念深く犯人捜しを続ける父親。
    若手新聞記者。
    一風変わった犯罪心理学者。
    新たな容疑者たち。
    十年分の苦悩と悔恨は、真実を暴き出せるのかー。
    (「BOOK」データベースより)

    その名も『爆弾』!呉勝浩の初の第1位選出作品は2022年屈指のクライムサスペンス

    これまでトップ10入りもなかった呉勝浩が、ついに『爆弾』で第1位選出!
    タイトルは『爆弾』と、奇を衒ったタイトルが多い出版業界において、ストレートなタイトルが逆に目を引きます。
    『ミステリが読みたい!2023年版』の第1位にも選出された本作は、2022年屈指のクライムサスペンスと言えるでしょう。

    ランキング常連になりつつある白井智之が第2位に選出。
    「グロ系特殊設定ミステリ」とでも言うべき独自の世界観が評価を得ている白井智之ですが、『名探偵のいけにえ』もグロはなくとも特殊設定は健在。

    第3位には2017年版以来となるトップ10入りとなった有栖川有栖『捜査線上の夕映え』がランクイン。
    人気の「火村英生シリーズ」だけに期待されていた本作ですが、期待に答え上々の結果となりました。

    第4位には「メフィスト賞」受賞者である夕木春央が『方舟』でランクイン。
    「メフィスト賞」は森博嗣、乾くるみ、西尾維新など受賞者にはそうそうたる面々が顔を揃えており、これからの活躍が楽しみな作家の登場ですね。

    第7位には2022年の超話題作『同志少女よ、敵を撃て』がランクイン。
    「本屋大賞」などにも選出されましたが、何よりロシアによるウクライナ侵攻により著者の望まぬ形で話題になってしまい、心中複雑であったことと思います。

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  • 第11位 ⇒ 第20位

    第11位此の世の果ての殺人(74点)


    著者:荒木あかね

    小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。
    そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。
    小さな夢を叶えるために。
    年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。
    教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始めるー。
    第68回江戸川乱歩賞受賞作!
    (「BOOK」データベースより)

    第12位ダミー・プロット(71点)


    著者:山沢晴雄

    配送された手首。地下鉄の網棚の上に置き去られた首。
    占い教室の床に横たわった胴体。
    これらはすべて同一人物のものと特定されたが、この死者は誰なのか。
    縺れ合う複数のアリバイ工作が解きほぐされた果てに、探偵砧順之介の前に姿を現した犯人とはー。
    孤高の本格推理作家が「私の書いた全作品中一番出来のいい作品」と自ら認めた幻の傑作長編を、ついに創元推理文庫に収める。
    (「BOOK」データベースより)

    第13位#真相をお話します(59点)


    著者:結城真一郎

    ミステリ界の超新星が仕掛ける、罠、罠、罠、罠、罠。
    家庭教師の仲介営業マンとしてしのぎを削る大学生。
    娘のパパ活を案じながらも、マッチングアプリに勤しむ中年男。
    不妊に悩んだ末、精子提供を始めた夫婦。
    リモート飲み会に興じる学生時代の腐れ縁。
    人気YouTuberを夢見る、島育ちの小学生四人組。
    微笑ましくて、愛おしくて、時に愚かしい。
    令和を生きる私たちにニュー・ノーマル。
    -本当に?読みながら覚えるかすかな違和感と確かな胸騒ぎ。
    それでも、あなたの予想は必ず裏切られる!緻密で大胆な構成と容赦ない「どんでん返し」の波状攻撃に瞠目せよ。
    第74回日本推理作家協会賞“短編部門”受賞作「#拡散希望」を収録。
    (「BOOK」データベースより)

    第14位ループ・オブ・ザ・コード(55点)


    著者:荻堂顕

    疫病禍を経験した未来。 WEO(世界生存機関)に所属するアルフォンソは、20年前に歴史の一切が“抹消”された、かつての独裁国家“イグノラビムス”へと派遣される。
    いまや多数の欧米企業が参入し、「再生のテーマパーク」とも揶揄される彼の国で、児童200名以上が、原因不明の発作に見舞われる奇病を発症、その現地調査を命じられたのだった。
    しかし、時を同じくして、非常事態が発生。
    「悲劇」の再来を恐れたWEO事務局長から、密命を言い渡されることになり…。
    国家機関単位の任務を、たった数人で遂行することになったアルフォンソたちが辿り着く、衝撃の真実とは、一体。
    生命倫理の根幹と善悪の境界を問う、近未来諜報小説の新たな地平。
    (「BOOK」データベースより)

    第15位録音された誘拐(52点)


    著者:阿津川辰海

    誘拐されたのは探偵。
    家族の危機を救うのも探偵。
    謎めいた依頼を受けたのも探偵ー誘拐犯に立ち向かうのも探偵。
    大野探偵事務所の所長・大野糺が誘拐された!?
    耳が良いのがとりえの助手・山口美々香は様々な手掛かりから、微妙な違和感を聞き逃さず真実に迫るが、その裏には15年前のある事件の影があった。
    誘拐犯VS.探偵たちの息詰まる攻防、二転三転する真相の行方は…。
    どんでん返しに次ぐ、どんでん返し!
    新世代本格の旗手が描く今年最大の逆転ミステリー開幕。
    本当に騙されていたのは誰だ?
    (「BOOK」データベースより)

    第16位馬鹿みたいな話!昭和36年のミステリ(46点)


    著者:辻真先

    昭和三六年、中央放送協会(CHK)でプロデューサーとなった大杉日出夫の計らいで、ミュージカル仕立てのミステリドラマの脚本を手がけることになった駆け出しミステリ作家・風早勝利。
    四苦八苦しながら脚本を完成させ、ようやく迎えた本番。
    アクシデントを乗り切り、さあフィナーレという最中に主演女優が殺害された。
    現場は衆人環視下の生放送中のスタジオ。
    風早と那珂一兵が、不可能殺人の謎解きに挑む!
    戦前の名古屋を活写した『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』、年末ミステリランキングを席巻した『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』に続く、“昭和ミステリ”シリーズ第三弾。
    ミステリ作家デビュー作『仮題・中学殺人事件』から五〇周年&卒寿記念出版。
    (「BOOK」データベースより)

    第16位煉獄の時(46点)


    著者:笠井潔

    1978年6月。ナディアは著名な作家のシスモンディに、友人・矢沢駆を紹介する。
    シスモンディのパートナーであり、戦後フランス思想家の頂点に立つクレールが彼女にあてた手紙が消失した謎を駆に解き明かしてほしいというのだ。
    しかし手紙をネタに誘い出されたシスモンディとナディアは、セーヌ川に係留中の船で全裸の女性の首なし屍体を発見する。
    事件の調査のためリヴィエール教授を訪ねると、彼は若き日の友人、イヴォン・デュ・ラブナンのことを語り始める。
    39年前、イヴォンも首なし屍体事件に遭遇したというのだー。
    増殖する不可解な謎を、矢吹駆が解き明かす!
    (「BOOK」データベースより)

    第18位救国ゲーム(44点)


    著者:結城真一郎

    稀代のカリスマは、なぜ殺されたのか。
    “奇跡”の限界集落で発見された惨殺体。
    その背後には、狂気のテロリストによる壮絶な陰謀が隠されていた。
    否応なく迫られる命の選別、そして国民の分断ー。
    最悪の結末を阻止すべく、集落の住人・陽菜子は“死神”の異名を持つエリート官僚・雨宮とともに、日本の存亡を賭けた不可能犯罪の謎に挑む。
    (「BOOK」データベースより)

    第19位俺ではない炎上(43点)


    著者:朝倉秋成

    外回り中の大帝ハウス大善支社営業部長・山縣泰介のもとに、支社長から緊急の電話が入った。
    「とにかくすぐ戻れ。絶対に裏口から」どうやら泰介が「女子大生殺害犯」であるとされて、すでに実名、写真付きでネットに素性が晒され、大炎上しているらしい。
    Twitterで犯行を自慢していたそうだが、そのアカウントが泰介のものであると誤認されてしまったようだ。
    誤解はすぐに解けるだろうと楽観視していたが、当該アカウントは実に巧妙で、見れば見るほど泰介のものとしか思えず、誰一人として無実を信じてくれない。
    会社も、友人も、家族でさえも…。
    ほんの数時間にして日本中の人間が敵になり、誰も彼もに追いかけられる中、泰介は必死の逃亡を続ける。
    (「BOOK」データベースより)

    第20位N(41点)


    著者:道尾秀介

    全六章。
    読む順番で、世界が変わる。
    すべての始まりは何だったのか。
    結末はいったいどこにあるのか。
    あなた自身がつくる720通りの物語。
    (「BOOK」データベースより)

    惜しくもトップ10入りは果たせずも史上最年少乱歩賞受賞者が登場!

    第11位には史上最年少で「江戸川乱歩賞」を受賞した荒木あかねが『此の世の果ての殺人』でランクイン!
    「終末世界で起きる殺人」という、ある意味特殊設定にも似た状況を描いたミステリには非常に興味がわきますね。
    惜しくもトップ10入りは逃したものの、ミステリファンの記憶には絶大な印象を焼き付けることができたと思います。

    これまた徐々に話題となりつつある結城真一郎が第13位に選出されました。
    一昨年の『このミス』に『プロジェクト・インソムニア』で選出され、本年選出作『#真相をお話します』や、第18位の『救国ゲーム』が書店でも平積みされるなど、若き新鋭作家がまた一人誕生しました。
    『#真相をお話します』の収録作『#拡散希望』が『第74回日本推理作家協会賞(短編部門)』を受賞しています。

    第19位には『六人の嘘つきな大学生』がメディアなどで話題となった朝倉秋成がランクイン。
    第11~20位は全体的に若い力が遺憾なく発揮された結果となりました。

    < 前年(2022年版) 翌年(2024年版) >

  • 第21位 ⇒ 第30位

    第21位夜の道標(37点)


    著者:芦沢央

    一九九六年、横浜市内で塾の経営者が殺害された。
    早々に被害者の元教え子が被疑者として捜査線上に浮かぶが、事件発生から二年経った今も、足取りはつかめていない。
    殺人犯を匿う女、窓際に追いやられながら捜査を続ける刑事、そして、父親から虐待を受け、半地下で暮らす殺人犯から小さな窓越しに食糧をもらって生き延びる少年。
    それぞれに守りたいものが絡み合い、事態は思いもよらぬ展開を見せていくー。
    (「BOOK」データベースより)

    第21位空をこえて七星のかなた(37点)


    著者:加納朋子

    大丈夫。昼間だって、見えないけれど星はそこにちゃんとあるから。
    南の島で、山奥のホテルで、田舎町の高校で。
    星を愛し星に導かれた人々が紡ぐ七つのミステリー。
    「南の島へ行くぞ」突然のパパの言葉で石垣島へ旅することに。
    正直言って、あんまり気は進まない。
    家族旅行といえばママも一緒だったのだ、去年まではーー(「南の十字に会いに行く」)
    小学四年生の九月のこと、同級生の過失で私の右目は取り返しのつかない怪我を負った。
    世界はぼやけて頼りない姿に変わり果ててしまった。
    星降る夜に大事な友達と交わした約束もーー(「星は、すばる」)
    廃部寸前のオカルト研究会、天文部、文芸部。
    生徒会に必死で部の存続を訴えると、「じゃあ、スぺミス部ってことで」と、とんでもない提案がーー(「箱庭に降る星は」)
    読み終えたら世界が変わる!
    〈日常の謎〉の名手が贈る、驚きと爽快な余韻に満ちた全七話。
    (出版社より)

    第23位やっと訪れた春に(35点)


    著者:青山文平

    橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齢六十七歳。
    本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出すー藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。
    だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。
    これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。
    加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願いを出す。
    その矢先、藩の重鎮が暗殺される。
    いったいなぜー隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが…。
    名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。
    (「BOOK」データベースより)

    第24位仕掛島(34点)


    著者:東川篤哉

    岡山の名士が遺した二通の遺言状。
    一通目の遺言に従って、一族の面々は瀬戸内の孤島・斜島に集められた。
    行方を晦ましていた怪しげな親族までもが別荘『御影荘』に招かれて奇妙な空気に包まれるなか、もう一通の遺言状は読みあげられた。
    翌朝、相続人の一人が死体となって発見される。
    折しも嵐によって島は外界から隔絶される事態に。
    相続人探しの依頼を受けていた私立探偵・小早川隆生と遺言執行人の代理を務める弁護士・矢野沙耶香、ふたりは次から次へ奇怪な事件に巻き込まれていく。
    鬼面の怪人物の跳梁、消える人影、そして一族が秘密にしていた二十三年前の悲劇ー続発する怪事の果て、探偵たちの眼前に驚愕の真相が現出する!
    本屋大賞作家が満を持して放つ、謎解きの興趣を隅々まで凝らした長編ミステリ。
    (「BOOK」データベースより)

    第24位月灯館殺人事件(34点)


    著者:北山猛邦

    「本格ミステリの神」と謳われる作家・天神人が統べる館、「月灯館」。
    その館に集いし本格ミステリ作家たちの間で繰り広げられる連続殺人!
    悩める作家たちはなぜ/誰に/何のために殺されるのか?
    絢爛たる物理トリックの乱舞とともに読者を待ち受ける驚愕のラストの一文に刮目せよ!!
    これぞミステリの進化の系統樹の最前線にしてネオ・クラシック!
    (「BOOK」データベースより)

    第26位入れ子細工の夜(33点)


    著者:阿津川辰海

    本格ミステリ・ベスト10第1位!
    2020年のランキングを席巻した『透明人間は密室に潜む』の衝撃、ふたたびーー。
    古書の街に現れた古風な探偵の秘められた目的とは?
    禁断の「犯人当て入試」狂騒曲!
    秘密を暴露された作家、いや、捏造された作家、嘘と真実が裏返り続ける入れ子細工の二人劇!
    学生プロレスの覆面レスラーがコロナ禍にマスク着用で大集合、もはや本人確認、不能?……本格ミステリの極限を探る、濃縮された4編
    (出版社より)

    第27位名探偵に甘美なる死を(32点)


    著者:方丈貴恵

    『時空旅行者の砂時計』『孤島の来訪者』に続く“竜泉家の一族”シリーズ最新作は王道の“館”ミステリ。
    館に集うは『素人探偵』8名、VR空間と現実世界で繰り返される殺人…生死を賭けたゲームの行方は?
    (「BOOK」データベースより)

    第28位invert II 覗き窓の死角(30点)


    著者:相沢沙呼

    嵐の山荘に潜む若き犯罪者。
    そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。
    犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。
    だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。
    その理由とはー。ミステリランキング5冠『medium霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。
    犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!
    (「BOOK」データベースより)

    第28位揺籃の都(30点)


    著者:羽生飛鳥

    治承四年(一一八〇年)。
    平清盛は、高倉上皇や平家一門の反対を押し切って、京から福原への遷都を強行する。
    清盛の息子たち、宗盛・知盛・重衡は父親に富士川の戦いでの大敗を報告し、都を京へ戻すよう説得しようと清盛邸を訪れるが、その夜、邸で怪事件が続発する。
    清盛の寝所から平家を守護する刀が消え、「化鳥を目撃した」という物の怪騒ぎが起き、翌日には平家にとって不吉な夢を見たと喧伝していた青侍が、ばらばらに切断された屍で発見されたのだ。
    邸に泊まっていた清盛の異母弟・平頼盛は、甥たちから源頼朝との内通を疑われながらも、事件解決に乗り出すが…。
    第四回細谷正充賞を受賞した話題作『蝶として死す』に続く、長編歴史ミステリ!
    (「BOOK」データベースより)

    第30位かくして彼女は宴で語る(29点)


    著者:宮内悠介

    明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、その名も「パンの会」。
    隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った。
    木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木等々が推理合戦を繰り広げる。
    そこに謎めいた女中・あやのも加わってー若き芸術家たちが謎に挑む傑作青春ミステリ。
    (「BOOK」データベースより)

    ドラマ化で話題の『城塚翡翠シリーズ』の続編が登場!

    相沢沙呼の『城塚翡翠シリーズ』第3作目の『invert II 覗き窓の死角』が第28位にランクイン。
    第1作目の『霊媒探偵城塚翡翠』がドラマ化され、完結と思いきや第2作目の『invert 城塚翡翠倒叙集』にガラッとタイトルごと入れ替える手法には驚かされました。
    原作の面白さも上手く表現できていましたね。

    児童文学作家である齊藤飛鳥が、羽生飛鳥名義で執筆した『揺籃の都』が第29位に登場しました。
    昨年にも『蝶として死す 平家物語推理抄』で第24位にランクインしています。
    児童文学とミステリという二刀流作家が狙うはトップ10入り!

    < 前年(2022年版) 翌年(2024年版) >

  • 第31位 ⇒ 第40位

    第31位時計屋探偵の冒険(28点)


    著者:大山誠一郎

    難事件に頭を悩ませる新米刑事は、美谷時計店の店主・時乃にアリバイ崩しを依頼する。
    湖に沈められた車のアリバイ、パーティ出席者500人が証人となった政治家のアリバイ、容疑者の親族3人がもつ鉄壁のアリバイ…。
    時乃の推理はいかに?時乃が高校生時代に挑んだ「夏休みのアリバイ」も特別収録。
    (「BOOK」データベースより)

    第31位ナイトシフト(28点)


    著者:香納諒一

    歌舞伎町ゴールデン街に接するジャンボ交番の若手、坂下浩介と内藤章助は、コロナで静まり返った街でカラスが我が物顔にふるまう苦情を受けた。
    だが、巣のあるビル屋上には、何者かの白骨死体が…。
    現場の老朽ビル群は、反社不動産屋同士が再開発を巡って暗闘。
    折しも日本初の官公庁クラスターが所轄署で発生して、周囲の署が連携する不規則な体制で捜査は進められることになった。
    さらに、白骨死体に関わるとみられた組事務所にはコロナウイルスと思しきものが持ち込まれ、組員一同が発症していた!
    事件の続発に、眠らない街を疾駆する坂下と内藤!
    緊急事態宣言下の新宿、混沌とする夜は明けるのか!?
    (「BOOK」データベースより)

    第31位エンドロール(28点)


    著者:潮谷験

    202X年。新型コロナウイルスのせいで不利益を被った若者たちの間で自殺が急増する。
    自殺者の中には死ぬ前に自伝を国会図書館に納本するという手間をかけている者がいた。
    その数200人。共通するのは陰橋冬という自殺をした哲学者の最後の著書と自伝を模倣するということ。
    早世したベストセラー作家・雨宮桜倉を姉に持つ雨宮葉は、姉が生前陰橋と交流があり、社会状況の変化から遺作が自殺をする若者を肯定しているという受けとめられ方をしてしまったという思いから、自殺を阻止しようとするが…。
    「物語」の囚われ人の運命はー。
    (「BOOK」データベースより)

    第34位晩秋行(26点)


    著者:大沢在昌

    自分が見つけたいのは君香だ。
    カリフォルニア・スパイダーなどどうでもいい。
    居酒屋店主の円堂のもとに、バブル時代、不動産売買で荒稼ぎをした盟友の中村から電話が入る。
    当時、「地上げの神様」と呼ばれ、バブル崩壊後、姿を消した二見興産の会長の愛車で、20億円の価値があるクラシックカーの目撃情報が入ったという。
    二見は失踪時、愛車とともに円堂が結婚を考えていた君香という女性を連れ去っていた。
    20億円の車をめぐってバブルの亡霊たちが蠢き出すなか、円堂はかつての恋人を捜し、真実を知るために動き出すー。
    (「BOOK」データベースより)

    第35位幻告(25点)


    著者:五十嵐律人

    裁判所書記官として働く宇久井傑。
    ある日、法廷で意識を失って目覚めると、そこは五年前ー父親が有罪判決を受けた裁判のさなかだった。
    冤罪の可能性に気がついた傑は、タイムリープを繰り返しながら真相を探り始める。
    しかし、過去に影響を及ぼした分だけ、五年後の「今」が変容。
    親友を失い、さらに最悪の事態が傑を襲う。
    未来を懸けたタイムリープの果てに、傑が導く真実とは。
    リーガルミステリーの新星、圧巻の最高到達点!
    (「BOOK」データベースより)

    第36位神薙虚無最後の事件(24点)


    著者:紺野天龍

    オルゴール館に封印された謎が、今、開かれる。
    大学二年生の白兎と、彼が淡い恋心を抱く後輩の志希。
    二人は路上で倒れこむ唯と出会う。彼女が手にしていたのは、唯の父、御剣大が著した20年前のベストセラー『神薙虚無最後の事件』。
    「神薙虚無」シリーズは、実在した名探偵・神薙の活躍を記したミステリで、最終巻では解かれるべき謎を残したまま完結し、好事家の間では伝説となっているという。
    白兎と志希は、大学の「名探偵倶楽部」に所属する金剛寺らと作品に秘められた謎を解こうとするのだがー。
    過去と現在、物語の中と外。謎が繋がり、パンドラの箱が開くとき、目にするのは希望か絶望か!?
    多重解決&作中作ミステリの新たな金字塔が誕生!
    (「BOOK」データベースより)

    第37位流転(23点)


    著者:笹本稜平

    12年前の富豪一家殺人事件で消えた20億円をめぐり魑魅魍魎が蠢き出す!
    亡き著者の代表作にして警察小説の金字塔「越境捜査シリーズ」ついに完結。
    (「BOOK」データベースより)

    第38位裂けた明日(22点)


    著者:佐々木譲

    定年後の嘱託も辞め、独り暮らしの沖本信也。
    そこに幼い少女を連れた女性が現れた。
    逃避行をしている、という。
    テロと銃撃が頻発する日本で、信也は二人を守り抜くと決断した。
    役所勤めの経験を生かし、意外なルートで軍事境界線を突破、あらゆる危機を回避していくー。
    なぜそこまで身をかけるのか?
    銃撃音の真っ只中で絞り出した言葉が、嗚咽と血とともにほとばしる!
    圧巻の幕切れに心が震える、ベテランの新たなる高み。
    (「BOOK」データベースより)

    第38位5A73(22点)


    著者:詠坂雄二

    地下鉄に轢かれ、男が死亡した。
    この事件により、関連性不明の不審死は四件目だ。
    共通項は身体に残された「暃」の字。
    それは、本来は存在しないにも拘わらず、パソコン等では表示されるJISコード「5A73」の文字、即ち幽霊文字だった。
    刑事たちは、事件の手掛かりを探り、「暃」の解読に腐心する。
    しかし、その最中に五人目の死者が…。
    事件はどこまで広がるのか。
    そもそも、この文字は一体何なんだ?
    (「BOOK」データベースより)

    第38位偽装同盟(22点)


    著者:佐々木譲

    日露戦争終結から十二年たった、大正六年。
    敗戦国の日本は外交権と軍事権を失い、ロシア軍の駐屯を許していた。
    三月、警視庁の新堂は、連続強盗事件の容疑者を捕らえるが、身柄をロシアの日本統監府保安課に奪われてしまう。
    新たに女性殺害事件の捜査に投入された新堂だったが、ロシア首都での大規模な騒擾が伝えられ…。
    ロシアの属国と化した日本で、男は、警察官の矜持を貫けるのか。
    「もうひとつの大正」を描く、入魂の改変歴史警察小説、第二弾。
    (「BOOK」データベースより)

    潮谷験、紺野天龍が初選出。大ベテラン・大沢在昌も。

    ここにも『このミス』新顔が登場しました。
    まず第31位に『エンドロール』で選出された潮谷験。
    夕木春央同様にメフィスト賞を受賞しデビューした作家だけに、今後は『このミス』常連になる可能性も高いですね。

    そして第36位『神薙虚無最後の事件』で選出されたのは紺野天龍。
    本業の薬剤師としての知識を活かしラノベレーベルで活躍されているそうです。

    大ベテラン作家である大沢在昌も第34位と健闘しました。
    ですが、2020年版では第9位に選出されただけに、まだまだこんなものではないはず!

    < 前年(2022年版) 翌年(2024年版) >

  • 第41位 以下

    第41位ハヤブサ消防団(21点)


    著者:池井戸潤

    連続放火事件に隠されたー真実。
    東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。
    地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。
    迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知るー。
    (「BOOK」データベースより)

    第41位密室黄金時代の殺人(21点)


    著者:鴨崎暖炉

    「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保された日本では、密室殺人事件が激増していた。
    そんななか著名なミステリー作家が遺したホテル「雪白館」で、密室殺人が起きた。
    館に通じる唯一の橋が落とされ、孤立した状況で凶行が繰り返される。
    現場はいずれも密室、死体の傍らには奇妙なトランプが残されていてー。
    (「BOOK」データベースより)

    第43位記憶の中の誘拐(20点)


    著者:大山誠一郎

    未解決事件などの捜査書類を収蔵する通称“赤い博物館”の館長・緋色冴子。
    遺留品や手掛りを元に、ずば抜けた推理力で事件を幾つも解決してきた。
    ある日、部下の寺田から相談されたのは、26年前に起きた奇妙な誘拐事件。
    犯人と目されたのはその子の親だったようでー表題作他、予測不可能なミステリ全5編。
    (「BOOK」データベースより)

    第43位脱北航路(20点)


    著者:月村了衛

    北朝鮮の陸海空軍による大規模軍事演習。
    国の威信をかけたこの行事で、桂東月大佐は潜水艦による日本への亡命を決行した。
    しかも、拉致被害者の女性を連れてー。
    だが、そんな彼らを朝鮮人民軍が逃すはずがない。
    特殊部隊、爆撃機、魚雷艇、対潜ヘリ、コルベット艦、そして…。
    息つく間もなく送り込まれる殱滅隊の攻撃をくぐり抜け、東月達は日本に辿り着けるか?
    極限状況ゆえに生まれる感涙の人間ドラマ。
    超弩級エンターテインメント!
    (「BOOK」データベースより)

    第43位虚魚(20点)


    著者:新名智

    “体験した人が死ぬ怪談”を探す怪談師の三咲は、“呪いか祟りで死にたい”カナちゃんと暮らしている。
    幽霊や怪談、呪いや祟り、オカルトや超常現象。
    両親を事故で亡くした日から、三咲はそんなあやふやなものに頼って生きてきた。
    カナちゃんとふたりで本物の怪談を見つけ出し、その怪談で両親を事故死させた男を殺すことが、いまの三咲の目標だ。
    ある日、「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」という噂を耳にした三咲は、その真偽を調べることにする。
    ある川の河口で似たような怪談がいくつも発生していることがわかり、ふたりはその発生源を求めて、怪異の川をたどっていく。
    “本物”の怪談に近づくうち、事情を抱えるふたりの関係にも変化がおとずれてー。
    第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞大賞受賞作。
    (「BOOK」データベースより)

    第20回『このミステリーがすごい! 』大賞・文庫グランプリ受賞作の登場!

    鴨崎暖炉のデビュー作『密室黄金時代の殺人』が第41位に選出されました。
    本作は第20回『このミステリーがすごい! 』大賞・文庫グランプリ受賞作です。
    続編も発表され、人気シリーズとなることに期待しています!

    今回は第43位、全45作品が20点以上を獲得したとあって、良作が多く票が割れたのではないかと思います。
    また、コロナ禍を描いた作品も多く、新型コロナウイルスがいかに我々の生活の一部となっているかを思い知らされました。

    < 前年(2022年版) 翌年(2024年版) >

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